古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その八十五銀調

2012年11月13日 07時46分40秒 | 古文書の初歩

乍恐奉願口上第十九ページ、上の画像の三行目四行目

 

解読 銀調之勘弁難出来其上先達而干鰯代の内

    江為手附醤油五挺相渡置候処、右代呂物腐り

読み 銀ととのえの勘弁出来難く、其の上先だって干し鰯代の内

    へ手附けとして醤油五挺相渡し置き候処、右しろもの腐り

 

解説 「銀調の勘弁」・・・銀「現金」調達のやりくり。 「難出来」・・・下から返って「出来難く」。 「先達而」・・・先だって。 「干し鰯」の次が読みにくいですが、「代の内」と習っています。「代」と「内」の間が「の」。 四行目最初は「江」。代金の内へ」。内金として支払う。 「為手附」・・・下から返って「手附けとして」。「為」には『みなす』と言う意味が有り、ここでは『手附けとして』と読みます。 「醤油」・・・「醤」は「将」と「酉」の二文字に見えますが、一字です。 「五挺」・・・「挺」は長さの有るものを数える単位ですが、醤油の場合は「五樽」としておきます。 「相渡置」・・・「渡」も「置」も解読困難。 「置」の次の点は「候」。 「代呂物」・・・『しろもの』商品の事。多少悪い品物の場合に使用する事も有ります。 「腐り」・・・「腐」の次は消えていますが、「腐り」と読んでおきます。