古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その八十六候而

2012年11月14日 07時07分00秒 | 古文書の初歩

 

乍恐奉願口上第十九ページ、上の画像の五行目六行目

 

解読 候而賣れ不申候由、無據同所ニ而積入受取帰り□

    儀ニ御座候。是迚も大ニ損亡ニ相成り殆当惑難渋

読み 候て売れ申さず候由よん所なく同所にて積入れ受取帰り候

    儀に御座候。是迚も大に損亡に相成り殆ど当惑、難渋

 

解説 最初の「レ」の様な字は「候」で、「候而」で「候て」。この場合は前行から続き「腐り候て」で今の言葉にすれば、「腐ってしまって」という事です。 「賣れ不申候由」・・・「賣」は旧字体。「売れ申さず候由」。「売」に珍しく送り仮名が付いています。「申」の次ぎに小さく「候」が有ります。 「無據」・・・何度も出ました。『よんどころなく』。仕方なく。やむを得ず。 最後「帰り」の次が消えていますが、「帰り候」と推定します。 六行目、「儀に御座候」・・・「座」の次の点が「候」です。 「是迚も」・・・これとても。こちらの方も。 「損亡」・・・『そんもう』。損失。 「殆ど」・・・おおかた。ここでは『ほとほと』と言う様な意味に使っています。 最後の「当惑」はまだしも、「難渋」は難しい字です。