古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その八十一相断

2012年11月09日 05時51分19秒 | 古文書の初歩

 

乍恐奉願口上第十八ページ、上の画像の五行目六行目

 

解読 相断外借財同様歩付ニ致呉候様相頼候得共、一向

    受用不仕最早此上者出願ニも可及由被申候得□

読み 相断り外借財同様歩付きに致し呉れ候様相頼み候得ども一向

    受用仕らず最早此の上は出願にも及ぶべき由申され候得□

 

解説 「相断」・・・相断り。 「外借財」・・・外の借金。 「歩付」・・・「歩」はちょっと苦しいですが、先生はこう読みました。「歩合付き」と言う意味か。 「相頼」・・・「頼」の旁の「頁」が縦棒の形になっているのに注意。 最後は「一向」・・・少しも。全然。 六行目最初は「受用」・・・受け入れてもらう事。 「不仕」・・・仕らず。受け入れてもらえず。 「最早」・・・「最」は「ウ冠」に「取」と書いています。異体字です。「早」の崩しも難解。 「此上者」・・・この上は。 「出願」・・・お上に願い出る事。 「可及由」・・・及ぶべき由。「由」が読みにくいですが、何度も出ています。 「被申」・・・ごちゃごちゃと書いていて読み取り困難ですが、よく見て下さい。見えて来ます。最後の文字は消えていますが、「候得共」と読んでおきます。「候得ば」でも通用します。