古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十七章 潮岬会合 その四

2013年03月10日 08時04分43秒 | 古文書の初歩

 

 

潮岬会合第一ページ、上の画像の七~八行目

解読 網代之内ニ有之鰯ニ而候間、為取間鋪と堅法度

    仕候得者、鰹釣申義不罷成迷惑仕候。□前々

読み 網代の内にこれ有る鰯に候間、取らせまじくと堅く法度

  仕り候えば、鰹釣り申す義罷り成らず迷惑仕り候。□前々

 

解説 「其浦網代之内」・・・其の浦の漁業権の範囲内。 「有之」・・・「有」も何度も出ますが、分かりにくい崩し方です。「有之」でセットになって「これ有り」と読むので、形で覚える。 「為取」・・・取らせ。「為」は使役の意味を持つ助動詞。 「間鋪」・・・『まじく』。「鋪」は『しく』と読む。「間敷」とも書きます。いずれも当て字。 次の字は分かりにくいですが、「と」と読んでいます。変体仮名の「土」又は「止」と思われます。 「堅」・・・堅く。 「法度」・・・『はっと』・・・禁止。「法度仕」・・・禁止とされた。 「候得者」・・・そうらえば。文字としては難しいですが、或る程度文章の流れで読みとる「慣用句」です。 「不罷成」・・・「罷り成らず。」させない。出来ない。 「迷惑」・・・「迷」が難解です。 「仕候」の次に、一文字有る様に見えますが、欠けています。□の部分。 最後は「前々」。

この古文書は、潮御崎神社使用許可済み。非常に綺麗ですが、内容は難解です。日本水産業の歴史の中では、有名な文書の一つとなっています。