古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十七章 潮岬会合 その六

2013年03月12日 07時36分35秒 | 古文書の初歩

 

潮岬会合「乍恐言上」第二ページ、上の画像の三~四行目

 

解読 仕候者、地引あミニ而取申魚之事ニ而候。沖相ニ而

    猟仕候義者先年より入相ニ仕来申候。其上餌鰯

読み 仕り候は、地引き網にて取り申す魚の事にて候。沖相にて

 漁仕り候義は先年より入り相に仕り来り申し候。其の上餌鰯

 

解説 「法度仕り候は」・・・禁止にした漁は。 「地引あミ」・・・地引き網漁。 「取申魚」・・・捕る魚。 どの浦においても、他所の者を禁止としたのは、地引き網漁で捕る魚の事であります。「魚」の字の下の烈火はこの当時は「大」と書きました。「異体字」です。 「沖相にて」・・・地引き網の様な、濱での漁業ではなく、沖合で。 「猟」・・・「漁」と同じ。現在では、漁師と猟師は海と山で使い分けていますが、江戸時代では、海の漁も「猟」と書きました。「濱辺でなく、沖合での漁業は、昔から入相でやって来た。「入相」・・・『いりあい』お互いに入って漁業をする事が出来る権利。山では、山菜や木の実・薪等を採る権利の事。 「仕来申候」・・・仕り来たり申し候。丁寧な言い方ですが、「・・して来ました。」 「餌鰯」・・・鰹釣りの餌にする鰯。