古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十七章 潮岬会合 その十八

2013年03月24日 05時08分27秒 | 古文書の初歩

潮岬会合「乍恐言上」第五ページ、上の画像の三行目以下

解読 (奉)忝存候。仍如件。 寛永十四年卯月晦日

     印南 三郎兵衛  同所 又右衛門  同所 里右衛門

     同所 長太夫   宿浦 四郎太夫 田辺 治郎兵衛

     同  孫太夫   下はや 孫左衛門 同 平右衛門

読み  忝なく存じ奉り候。よってくだんの如し。

     寛永十四年卯月晦日

     名前の読みは省略させて頂きます。

解説 「忝」・・・『かたじけなく』。たいへん有り難い。 「存」・・・存じ。 前行の最後に返って、「忝なく存じ奉り」となります。 続いての点は「候」。 「仍」・・・よって。普通は「仍之」で「これに依って」のケースが多い。 「如件」・・・くだんの如し。「件」は『くだん』と読みます。この通りでございます。 「寛永十四年」・・・一六三七年(三七六年前)。 「卯月」・・・陰暦の四月のこと。 「晦日」・・・月の最後の日。三十日。「三」は「み」、「十」は「そ」、「日」は「か」と読んで『みそか』。 「印南」・・・『いなみ』和歌山県日高郡印南町。鰹節発祥の地だけあって、鰹漁が盛んだったのか、漁師も四人が名を連ねています。 「宿浦」・・・不明です。「宿」という読みが間違っているのかも分かりません。 「下はや」・・・下芳養」・・・田辺市芳養町。芳養『はや』は当時海岸寄りが「下芳養浦」で山寄りが「上芳養村」でした。

以上写真による三ページは、私が戴いた教材には欠けていた部分で、潮岬神社で特に御願いして、原本をコピーして製本した一冊の該当ページを写真撮影させて頂いた部分です。あと二ページ分の写真撮影が洩れましたので、その部分は原文なしで、解読文のみで進行させて下さい。