古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の十一

2015年11月03日 05時28分07秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第三頁、上の一~二行目

 

解読 右山林弐ヶ所共當村中并弥平分共

    御納所銀ニ賣渡し則代銭慥ニ請取申

読み 右山林二ヶ所とも、当村中並びに弥平分共

    御納所銀に売り渡し、則ち代銭確かに受け取り申し

解説 「右山林弐ヶ所」・・・「弐ヶ所」が解りにくいです。 「共」・・・これも解りにくい字です。 「当村中」・・・『とうそんじゅう』、当村の者一同。 「并」・・・現在の「並」と同じ。『ならびに』と読みます。 「弥平分共」・・・一番目の山は、四割が弥平所持分で、弐番目の山が当村四割所持分。この二つの山林とも。「お断り」、本章其の一で、當村領「大地谷」と言う地名は現在は有りませんと書きましたが、誤りでした。この山林は、「田並上村」と思いこみしていましたが、「鶴川村」の山林でした。  「御納所銀」・・・年貢納付のお金。「納所」は年貢などを納めること。一文字に見えますが、「納」と「所」です。「銀」も読みにくい。 「ニ賣渡し」・・・年貢納付の為のお金を得る為に売り渡し。 「則」・・・すなわち。そこで。そうして。 「代銭」・・・代金。販売代金。「銭」も難解です。 「慥ニ」・・・『たしかに』。確かに。 「請取申」・・・受け取り申し。受け取りまして。