2022年度版 渡辺松男研究2の13(2018年7月実施)
【すこし哲学】『泡宇宙の蛙』(1999年)P65~
参加者:K・O、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
92 紙やぶる音びっとして冬ふかし配偶者すこし哲学をする
(当日意見)
★これ、上の句で俳句になりますね。この人俳句もやってらっしゃるから。「冬ふかし」っ
て季語かしら?感覚として文句なく分かる歌ですね。冬の澄んだ空気の中で、配偶者がふ
っと何かを思った、それを「すこし哲学をする」と表現した。この歌はだからあまりやや
こしいことを言わない方がよいと思う。すーと入ってくる。渡辺さんの歌と知らなくても
読める歌。(A・K)
★理屈を言ってはいけないのでしょうが、これは誰が紙を破っているのでしょう?
(鹿取)
★そういうことは聞いちゃいけないんです、きっと(笑)どこかから聞こえてくるんです。
(A・K)
★そうですね、子どもが破ったりしたらこの世界が壊れてしまいますね。配偶者でも〈わ
れ〉でもまずいんでしょうね。(鹿取)
★どこかから紙を破る音がして、ああ冬が深いんだなあと思ったとたん、今自分は実存して
いるってことじゃないかなあ。そういうことってありますよね。それで哲学をするに結び
ついた。(A・K)
★それって、充分ややこしいことのような(笑)(鹿取)
★これが「ぴっと」だったら非凡な感じがある。「びっと」だとかわいらしい配偶者のスケ
ッチのようでいい感じ。(K・O)
(後日意見)(鹿取)
「冬深し」は「冬の真っ盛り。寒さも絶頂期で、自然も人の暮らしもすっかり冬一色である」と「合本 俳句歳時記 第一版」には出ている。
冬深し藪へ入り込む川の砂 大峯あきら
【すこし哲学】『泡宇宙の蛙』(1999年)P65~
参加者:K・O、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
92 紙やぶる音びっとして冬ふかし配偶者すこし哲学をする
(当日意見)
★これ、上の句で俳句になりますね。この人俳句もやってらっしゃるから。「冬ふかし」っ
て季語かしら?感覚として文句なく分かる歌ですね。冬の澄んだ空気の中で、配偶者がふ
っと何かを思った、それを「すこし哲学をする」と表現した。この歌はだからあまりやや
こしいことを言わない方がよいと思う。すーと入ってくる。渡辺さんの歌と知らなくても
読める歌。(A・K)
★理屈を言ってはいけないのでしょうが、これは誰が紙を破っているのでしょう?
(鹿取)
★そういうことは聞いちゃいけないんです、きっと(笑)どこかから聞こえてくるんです。
(A・K)
★そうですね、子どもが破ったりしたらこの世界が壊れてしまいますね。配偶者でも〈わ
れ〉でもまずいんでしょうね。(鹿取)
★どこかから紙を破る音がして、ああ冬が深いんだなあと思ったとたん、今自分は実存して
いるってことじゃないかなあ。そういうことってありますよね。それで哲学をするに結び
ついた。(A・K)
★それって、充分ややこしいことのような(笑)(鹿取)
★これが「ぴっと」だったら非凡な感じがある。「びっと」だとかわいらしい配偶者のスケ
ッチのようでいい感じ。(K・O)
(後日意見)(鹿取)
「冬深し」は「冬の真っ盛り。寒さも絶頂期で、自然も人の暮らしもすっかり冬一色である」と「合本 俳句歳時記 第一版」には出ている。
冬深し藪へ入り込む川の砂 大峯あきら