渡辺松男研究49(2017年5月実施)『寒気氾濫』(1997年)
【睫はうごく】P164~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
409 赤崩(く)えにまひるのひびく光さし山の顫(ふる)えはひそかになさる
(レポート)
南アルプスの大きな崩壊斜面、赤崩(あかくずれ)をみつつ作者はいま山のこころになっている。遠目には聳える山であるが、白昼をくずれつづける震動がある。偉容を誇る山の内がわに秘かに震えるこころがあるように感じる。(真帆)
(当日発言)
★「まひるのひびく光さし」のところ、どこにどうかかっていると読まれましたか?(鹿取)
★ここのところは随分入れ替えがしてあるのかなと思ったところです。「まひるの」は野原の野か
とも思ったのです。後の方に光りが射す歌が次々と出てくるので、この歌も時間が今真昼であっ
て、その光りが射していて、そんなふうに漠然と取りました。(真帆)
★「光さし」は「ひそかになさる」に掛かるのでしょうかね。「まひるの光」の形容として、その
光りはひびくようだというのでしょうか。(鹿取)
★書いてあるとおりに読むとひびくような光線だったということですよね。(真帆)
★そうですね、光りって波動ですけど、それが音を出しているようだと。山は崩れ続けていて、ふ
るえているような感じなんですね。そのふるえが投影して山に射す光りまでがひびくように感じ
られているのではないでしょうか。僅かずつ崩れ続けている山に対する痛ましさでしょうか。
(鹿取)
★「なさる」というのは尊敬ですか?(A・Y)
★いや、尊敬ではないです。「なす」+「る」で、「る」は自発じゃないですか。自然にそんなふ
うに進行しているって。(鹿取)
【睫はうごく】P164~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
409 赤崩(く)えにまひるのひびく光さし山の顫(ふる)えはひそかになさる
(レポート)
南アルプスの大きな崩壊斜面、赤崩(あかくずれ)をみつつ作者はいま山のこころになっている。遠目には聳える山であるが、白昼をくずれつづける震動がある。偉容を誇る山の内がわに秘かに震えるこころがあるように感じる。(真帆)
(当日発言)
★「まひるのひびく光さし」のところ、どこにどうかかっていると読まれましたか?(鹿取)
★ここのところは随分入れ替えがしてあるのかなと思ったところです。「まひるの」は野原の野か
とも思ったのです。後の方に光りが射す歌が次々と出てくるので、この歌も時間が今真昼であっ
て、その光りが射していて、そんなふうに漠然と取りました。(真帆)
★「光さし」は「ひそかになさる」に掛かるのでしょうかね。「まひるの光」の形容として、その
光りはひびくようだというのでしょうか。(鹿取)
★書いてあるとおりに読むとひびくような光線だったということですよね。(真帆)
★そうですね、光りって波動ですけど、それが音を出しているようだと。山は崩れ続けていて、ふ
るえているような感じなんですね。そのふるえが投影して山に射す光りまでがひびくように感じ
られているのではないでしょうか。僅かずつ崩れ続けている山に対する痛ましさでしょうか。
(鹿取)
★「なさる」というのは尊敬ですか?(A・Y)
★いや、尊敬ではないです。「なす」+「る」で、「る」は自発じゃないですか。自然にそんなふ
うに進行しているって。(鹿取)
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