ブログ版 清見糺の短歌鑑賞
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
234 てんてきぼうかたわらになきさびしさを言ってナースをわらわせてみる
2003年7月作
この歌は、抗ガン剤の何クールかを終えて一休みしている時季で、久しぶりに点滴棒に繋がれていなかったのだろう。結句、初案は「わらわせている」だった。推敲した「みる」の方が屈折感が出ている。
235 エルヴィスのCD聞きつつ病院内徘徊をするウォークマンわれ
2003年7月作
「ウォークマン」は商標名だが、文字通りの「歩く人」と掛けているのだろう。ホモエレクトゥスなどの連想もあるにちがいない。
上田三四二の次の歌を思い出した。
右霊安室左リニヤック室いたはられ左にまがるいつの日までぞ
一九八九年『鎮守』上田三四二
右霊安室……の思いが心の底にはあるようにも思われるが、歌にも思いにもまだ遊びの要素が残っているようだ。
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
234 てんてきぼうかたわらになきさびしさを言ってナースをわらわせてみる
2003年7月作
この歌は、抗ガン剤の何クールかを終えて一休みしている時季で、久しぶりに点滴棒に繋がれていなかったのだろう。結句、初案は「わらわせている」だった。推敲した「みる」の方が屈折感が出ている。
235 エルヴィスのCD聞きつつ病院内徘徊をするウォークマンわれ
2003年7月作
「ウォークマン」は商標名だが、文字通りの「歩く人」と掛けているのだろう。ホモエレクトゥスなどの連想もあるにちがいない。
上田三四二の次の歌を思い出した。
右霊安室左リニヤック室いたはられ左にまがるいつの日までぞ
一九八九年『鎮守』上田三四二
右霊安室……の思いが心の底にはあるようにも思われるが、歌にも思いにもまだ遊びの要素が残っているようだ。
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