かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 259

2024-10-10 11:11:28 | 短歌の鑑賞
 ※昨日から、今年8月実施の報告をアップしています。
体調の悪い会員が複数出て、圧倒的少人数で勉強会をしています。
渡辺松男研究に参加出来そうな方がありましたら、ぜひご連絡ください。
場所はJR戸塚駅徒歩5分の戸塚フォーラム、日時は不定期です。

  渡辺松男研究2の34(2024年8月実施)
     Ⅳ〈白骨観〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P167~
     参加者:M・A、岡東和子、鹿取未放、
          菅原あつ子(紙上参加)、山田公子(紙上参加)
     司会と記録:鹿取未放


259 ひと死にていくばくかほっとしておればわが毛穴より蛙のにおいす

         (紙上意見) 
●いきているものに常にまとわりついているやがて来る死、それが蛙のにおいか…
  (菅原)


●人が死んでほっとしている時期とは?少し理解に苦しみますが…体じゆうの毛穴か
 ら蛙のにおいがする!それは少し生臭い雨の匂いである。(山田)


      (当日意見)
★この歌はいい歌ですね。好きな歌で共感します。蛙は生臭いですよね、雨の匂いかも
 しれない、蛙は水が好きだから。(M・A)
★田舎の道だと蛙が車にひかれてぺちゃんこになって干からびていたりするんです
 けど、ここは生きてて生臭い蛙ですよね。私もいい歌だとは思うけど、うまく説
 明できないんですよね。(鹿取)
★蛙と自分が同列って感じがすごく分かる気がするんですよね。説明できないけれど上
 句と下句もすごく合っていると思います、なんか離れ技っていうか。他人には言え
 ないけど人が死んでほっとするってありますよね。もちろん普通の意味でほっとする
 というのとは全然違うけど。看病疲れとかでなくても人はみんな死ぬんだから。一生
 を終えた完結感かなあ。なんか哲学的な深いものがあって、生と死の隙間を覗いてい
 るような。(M・A)
★ああ、人間と蛙が同列ってことですか、それでよくわかりました。(鹿取)
               

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