かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 129 ネパール①

2025-02-09 16:26:23 | 短歌の鑑賞

 

の浅瀬を渡っている馬場一行、その先に近藤亨が指導している農場があった

 

        カリガンダキ河に添った街道を行く隊商達

 

       徒歩で荷物を運ぶ人達にもたくさん出会った

 

129 カリガンダキ河流域すべて眠れるを満月と山と一夜眠らず


             (レポート)
 作者の位置を想像するに、下の句は「満月と山と」とあるのみだ。ヒマラヤはどこも山ばかりで場所をしぼれないのだが、次の文章を参考に鑑賞したい。(慧子)
 「流域のある部分はアンナプルナやニルギリを東に、ダウラギリを西にして大峡谷をつくっており、それに沿う道も古くからあった。もともとヒマラヤ山脈の北側、チベット高原に続くムスタンにカリガンダキ河は源流をもつことから、他のルートより中国、チベット、インドをつなぎやすく、峡谷沿いの道は、1300年前から仏教文化が行き来することになり、古い仏教ロードであった。」

 

           (当日意見)
★引用は、出典を必ず書いてください。誰の文章か知りたいです。カリガンダキ河に沿う道路は今で も重要な交通ルートです。土地の人は飛行機に乗るような金銭的余裕はないのでこの道を歩きま  す。旅行当時、この道は車が通れるような整備がされていなくて、土地の人はポカラから2日かけ て歩いていました(飛行機だと20分)。また馬や驢馬の隊商も通っています。なくてはならない道 です。この歌の眠れないのは比喩的な意味ではなく、流域の人間も含めた動植物みんなが眠ってい る時間なのに、ということでしょう。煌々と照る満月と、それに照らされている山とを感動をもって 見ているのです。(鹿取)
 


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