日本坂道学会会長上野勝さんが、1月27日の朝日新聞夕刊に「坂を歩けば江戸情緒」として登場し、彼の一押しの坂として、文京区にある菊坂のすぐ傍にある「鐙坂」を挙げていました。その記事を読んだ後、雪の日に鐙坂へ写真撮影に出掛けた話は2月29日のブログに「東京に、又雪が降る」と題して書きました。
その一方で、彼の著作をオンライン検索して「江戸と東京の坂」があることを知り、予約をすると既に5人待ち。意外に人気の高い事を知りつつ、本の到着を待っていると3月24日に手元に届き、早速読んで見ました。坂好きな人間には、わくわくさせられる内容の本でした。
プロローグでこう語っています。
『江戸と東京の坂を隈なく歩き回って二十数年が経つ。明治維新後、東京という街は、江戸時代の街並みに大改造が施されて大変貌を遂げたと思われがちだが、こと道路に関してはさほどの変化はない』と。そこで江戸切絵図と現代地図とを照らし合わせながら、江戸時代から今へと続く道筋を丹念に辿ることが可能となりました。本の構成も江戸切絵図と現在マップのカラフルな図が各章の冒頭に載り、その後に9章からなる坂案内が書かれています。
坂の達人から見て、どの辺の坂が面白く感じられたかを知る意味でも、その9章を全て掲げてみます、
第1章 本郷 第2章 湯島 第3章 谷中~西日暮里
第4章 春日~小石川 第5章 関口~目白台 第6章 信濃町~四谷
第7章 赤坂 第8章 虎ノ門~麻布台 第9章 高輪~三田
です。
第3章は荒川区・台東区の坂ですが、第1章から第5章はその殆どが文京区の坂。特徴ある坂が文京区に集中している事が分かります。私は第5章の関口~目白台の坂はあまり歩いていませんから、今後ここを訪れたいとは思っていました。
第6章以下は断片的にしか歩いたことがありません。この本で紹介される名だたる坂巡りをしようと思いながら、読み進んでいて、ふと3月26日(月)には四谷に行く予定を立てていたことを思い出しました。
私の中学時代のクラスメイトMさんの夫さんが所属している三修会の第17回写真展が「四季燦々」と題して、四谷写真会館5階で行われ、その案内状を頂いていました。何回かこの写真展を拝見し、山と花の見事な写真の数々に魅せられていた私は、今年も是非と思っていました。
前置きが長くなりましたが、そんな訳で3月26日(月)信濃町から四谷への散策を楽しみ、写真展へと廻りました。そのレポートは次回のブログで。