今日は”将棋界の一番長い日”と呼ばれる、将棋A級順位戦の最終日。その全対局が将棋会館で一斉に、午前10時から始まった。それを「囲碁・将棋チャンネル」で観ながら、このブログを書いている。
対戦は 森内九段(3勝5敗)対行方八段(6勝2敗)
渡辺二冠(5勝3敗)対久保九段(6勝2敗)
佐藤九段(4勝4敗)対深浦九段(4勝4敗)
三浦九段(3勝5敗)対広瀬八段(5勝3敗)
郷田九段(4勝4敗)対阿久津八段(0勝8敗)
今期は、名人挑戦権を巡ってダンゴレースとなっていて、最終戦の結果次第では、最大4名によるプレイオフの可能性があり得るのだ。
”プレイオフ”とは正規の戦いを終えても、優勝などの、決着がつかない場合に争われる戦いのこと。観戦者側は大いに盛り上がる。大相撲の優勝決定戦がその代表格。プロゴルフにも、将棋名人への挑戦権にも、プロ野球にもある。ただプロ野球の場合、セ・パ両リーグとも優勝は既に決まって後の、”クライマックス・シリーズ”と呼ばれる戦いで、日本選手権への出場権を掛けて、まず2位と3位が対戦し、その勝者が1位と最終戦を戦う。この様に、下位同士の対戦の勝者が直近の上位と戦い、これを何度か繰り返し、最終の勝者を決める方式をパラマス式トーナメント戦と呼んでいる。 将棋A級順位戦での名人挑戦権を掛けての、過去のプレイオフの記録を調べると、このパラマス方式である。
今日の最終戦を前にして、6勝2敗は行方八段と久保九段。5勝3敗が渡辺二冠と広瀬八段。仮に、行方と久保が共に敗れ、渡辺と広瀬が勝利すると、6勝3敗となった4人によるプレイオフ戦となり、後日、まずは広瀬と久保が戦うこととなり、その勝者が渡辺二冠と・・・。
かっても4名のプレイオフがあった。1992年度は高橋・大山・南・谷川の4名で争われ、高橋が挑戦権を制し、時の名人中原と7番勝負の死闘を繰り広げたが、中原が4勝3敗で辛うじて名人位を防衛。高橋道雄は名人への千載一遇のチャンスを逸したのだった。右参照。
さて今日の順位戦。森内対行方戦は挑戦権だけでなく降級争いも絡む。名人の座を追われた森内が敗れればB1級への降級もありうる。渡辺対久保戦は正に挑戦権を掛けての一局。最期に笑うものは誰か。泣くのは誰か。劇場型ドラマの幕は切って落とされた。
今始まった放送は明日深夜2時までと続く。間もなく出掛ける私はビデオ撮り。夜それを観る、私にも長い一日となりそうだ。
《追記:3月2日午前1時半、三浦が投了し、広瀬の勝利が確定。可能性の少なかった4名(行方・渡辺・久保・広瀬)によるプレイオフによって名人挑戦権が争われることとなった》