花の季節が巡って来た。27日(金)の午後の気温上昇の影響で、開花が一気に進み、昨日は土曜日ともあって都内各地は花見客で賑わったようだ。
妻が講師を担う「源氏の会」は、午前中が地域活動センターでの『伊勢物語』のお話会。午後が花見散策と花見の宴。
花見”実行委員長”の私としては、今年は何処で宴を張ろうか迷っていた。過去は、活動センターから近い、六義園・染井霊園・小石川植物園・播磨坂に出向いた。近場はあと飛鳥山公園くらいしか残っていないと思い込んでいたが、東博の裏庭は、宴は張れないが、花を愛でるにも相応しい場所と思い至り、前日の27日に、自転車で、自宅→東大→旧岩崎庭園→不忍池→上野のお山→東博と回って実踏して来た。
上野の山の桜はまだ5分咲き。満開ではなかったが、人で満杯だった。不忍通りをはさんで喧噪と静寂とにくっきりと分かれていた。わけても、こちら側の東大キャンパス内にある、医学部前の「健康と医学の博物館」脇の一角は、ことのほか静かで、一組が花見をし、シートも一つ張られていた。加州大聖寺藩の江戸上屋敷跡地で、穴場的雰囲気濃厚の存在。”花見はここだ”と決めて実踏を終えた。 27日(土)早朝5時50分発で、シート張に向かった。7時にならないと開門しない門が多いが「龍岡門」は東大病院への入り口。深夜でも開いているはずと見込んでの出発。やはり開いていた。
ここで3組目のシートを張り終えた。他は例えば「人工臓器移植外科」や「バイオエンジニアリング専攻」などいかにも東大の医師や学生たち。私は心置きなく、用意しておいた『源氏物語の会 花見の宴席』を張り終え、帰宅した。
(加州大聖寺藩上屋敷の跡地に建つ碑)
午前10時半に『伊勢物語』を中座し、かねて注文しておいた「おつな寿司」のお弁当と「とり多津」の唐揚を手に入れ、東大農学部前で一行10名と合流。
上野博士とハチ公像→正門→安田講堂→宴会場→鉄門→無縁坂→旧岩崎庭園→不忍池→清水観音堂→上野のお山→東博裏庭と廻った。
大聖寺上屋敷跡地での花見は大好評だった。花は7分咲き。外部からは全く見えない。こちらはやや高台にあるので、下の通りはよく見える、という環境。日本酒は〆張鶴、ワインは井筒の赤。日頃に比べ皆口が軽くなり、和気藹々と、宴会は大成功。費用はお一人1400円で終わった。
不忍池から上野のお山への階段を上ると、そこは「清水観音堂」。「名所江戸百景」の中で、広重はこの舞台から、松の向うに不忍池を描いた。それに因んで観音堂の前に人工的に円形の”月の松”を造り、3年前に”除幕式”を行ったことがあった。私はその前日に”月の松”を撮影しブログ(12/12/13)に載せたところ、朝日テレビの「やじうまテレビ」からその写真を使わせてほしいとのコメントが来た。コメントを読むのが遅れたためOKサインは出せなかったが、私に不満はなかった。その松を皆さんに紹介し、皆さんはこれを舞台から眺めた。
上野の山は通行が困難なほどの賑わい。何とか通り抜け東博裏庭へ。お山に比べて静かな雰囲気の中、桜のみならず、春の草木を鑑賞し、今年の、源氏の会の花見は終了。満足度高かった。
(東博の裏庭に咲く垂れ)
今日の一葉:枝垂れの背後に、前日が上弦だった月:28日夜、六義園で撮影