マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

国宝『松林図屏風』の高精密複製品を見学

2019年01月06日 | 映画・美術・芝居・落語

 1月5日(土)、東博にでかけ、『松林図屏風』の高精密複製品を観て来た。
 東博は国宝『松林図屏風』を所蔵していて、毎年のように一般公開してきた。それも撮影可能の展示で、私もその屏風をカメラに収めたことがあった。今回はその公開以外に高精密複製品も公開するはずと妻から聞いて、私も観に行くことにした。
 一体高精密複製品とはどんなものなのか?岩佐又兵衛作の『舟木本 洛中洛外図屏風』のデジタル版は凸版印刷と共同作成され、その映像が観賞可能と聞いたことはあったが、観たことは無かった。
 まずは2階の”本物”の屏風へ。世に知られるように作者は長谷川等伯。深い霧に包まれた松林を墨の濃淡だけで表現した作品と解説されている。見学している人が疎らになる一瞬があり、左隻・右隻の両方を撮影後、じっくりと見学した。(写真:右隻)






 
解説には「描写されていないはずの、ひんやりとした空気の流れもとらえられている」と書かれているが、空気の流れは感じられないが、「霧の晴れ間には遠くの雪山はかすかに確認できます」とある雪山ははっきり見て取れた。(写真:左隻の右上に描かれた雪山)

 続いて一階の第4室へ。ここには畳が引かれ、そこに6双の屏風が2つ組み立てられ、「松林図屏風」が写し出されていた。実物大の大きさだ。キャノンKKと京都文化協会が共同で行っている「綴(つづり)プロジェクト」で制作されたそうな。






 畳に上り暫く鑑賞していると、なんと画面が動き出した。動画が流れ出したのだ。初期画面は実物そのものを表現したものだったが、そこから夜が明けて、鳥が飛び、朝日が差し込んで来て、雪が降り始め、夜となって、月がかかり、沈んで真っ暗になった。(写真:左隻では鳥が飛んでいる)

 松林周辺の一日が写し出されたのだ。思っても見ない展開。3分間の映像を最初から再度眺めた。その後動画撮影も出来た。(写真:左隻には月が現れて来た)
 余計なことをしてくれたと等伯は地下で怒っているだろうか。私は、想像の世界を面白く、見事に表現したなとの思いで見続けた。