熱海伊豆山から帰宅して2日後の1月18日(金)、東京文化会館大ホールで「日本のうたごえ祭典」を聴いて来た。
私は、”日本のうたごえ運動”について殆ど知らない。だから「70周年」については推測を書くのだが、「中央合唱団」の創立が1948年だから、「中央合唱団」創立70周年を記念しての「うたごえ祭典」音楽会だったと思う。その中央合唱団に属する、高校時代の同窓生森下泉さんが出演すると、今大会の共催者「東京労音」団長縫島美佐子さんから聞いていた。
卒業生の縫島さんからは今までに何度か東京労音の音楽会へのお招きを頂き、例えば「北とぴあ」などに足を運んで来た。森下さんとは都立小山台高校定時制での同学年で、クラスが一緒になったことはないが、「合唱班」で活躍していることは良く知っていた。卒業前後には東京労音に属したと思う。その彼女が中央合唱団で歌っていると風の便りも聞いていた。ともあれ、彼女の労音での合唱活動は、70周年には及ばないが、それに近い60年ほどになるはず。現在もうたごえを続けていると聞いて、その麗姿を遠くから一目拝見しようとの思いも抱きつつ上野へ掛けて行った。 素晴らしい音楽会だった。内容は合唱だけでなく多彩だった。
冒頭は混声合唱組曲「こわしてはいけない~無言館をうたう」。無言館を主宰する窪島誠一郎氏の6編の詩に池辺普一郎氏が組曲用に作曲した。けして、こわしてはいけないもの、平和への思いの丈を力強く、美しく、歌い上げた。作詞した窪島氏も登壇した。私は当日縫島さんが渡してくれた出演者の配置図を見ながら双眼鏡で森下さんを捜した。書かれた位置で歌っている方は眼鏡を掛けていたので森下さんとの確信は掴めなかったが。
無言館と聞くと決まって母を思い出す。赤紙1枚で夫を奪われた母の思い入れは人一倍強く、無言館に案内したときには感銘し多額の寄付をしていた母を。 続いて登場したのは「東京少年少女合唱隊」。こどもたちの声の澄んだ声を久し振りに聴いた。
第2部では「Women of the World」が素晴らしかった。インド、イタリア、日本、ハイチ(アメリカ)から集まった女性シンガー4人からなる国際的なヴォーカルグループで、全米アカペラチャンピオンのメンバー。力強い歌声が広い会場に響き渡った。
最後に270名の大合唱。双眼鏡で見るまでもなく、縫島さんはその最前列で歌っていた。