マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

奈良3景

2010年04月11日 | 

       (博物館建物に掲げられた看板)
 4月4日に出発した旅行、京都には1泊しただけで奈良に向かいました。奈良の「国立奈良博物館」では、4月3日から「大遣唐使展」が開催されていて、ここを訪れるのが今回の旅行の目的の1つです。嬉しい事に「国立東京博物館」の年間パスポートが使えるのです。「東京国立博物館」の時と同じように開館30分前の9時には列に並びました。




                                                               
 遣唐使として、命がけで中国に出掛けて行った多くの人々の情熱や意気込みを感じました。新しい国作りに必要な知識・技術を学び取ろうとする、空海や阿部仲麻呂等の気魄が伝わってきます。5回の海難を乗り越え、盲となってまで日本にやって来られた鑑真和尚の絵巻も展示されていました。吉備真備の唐での活躍を描いた、”里帰り”「吉備大臣入唐絵巻」がビデオ放映されていていて、楽しく見られます。




 平城京遷都1300年を記念して数々のイベントが企画されている事でしょうが、この「大遣唐使展」まさにタイムリーな催しと思います。
 会場を巡る半ば、美しく、背丈大きい十一面観音立像に出会いました。国宝とか重要文化財との銘がありません。不思議に感じたのか妻がボランティアの解説委員の方に聞くと「最近になって、京都・安祥寺で見つかった『十一面観音立像』の初公開です」との事。帰ってきて調べると、像は9世紀に作られたもので、首の部分だけ後世にすげ替えられたものとありました。

        (左保川の桜)
 宿泊先そばを流れる「左保川」の両岸には桜並木が数キロに亘って連なり、見事な風景でした。









             (法華寺本堂)
 法華寺も宿泊先から徒歩15分の距離にあり、4月7日早朝に訪れ、この日までの、国宝「十一面観音立像」の特別拝観が叶いました。








          (法華寺境内)


 唐招提寺や浄瑠璃寺にお参りする事もかない、雨にも降られず、花の大和路を巡って来られました。
 


『天地明察』を読む

2010年04月10日 | 読書

 『天地明察』(沖方 丁著 角川書店発行)を旅行中の行き帰りの新幹線内で読み、帰宅後読み終えました。今年度(第31回)「吉川英治文学新人賞」受賞作品です。江戸時代前期の算術家にして囲碁棋士かつ天文暦学者渋川春海(別名安井算哲)の青年期から「大和暦」完成までの日々を描いた物語です。
 読み
終えて、快作・傑作だと思いました。

 主人公渋川春海(しぶかわ はるみ)は、その時まで800余年間続いて来た「宣明暦」の誤謬を指摘し、最終的に「大和暦」を完成、「貞享暦」の名でこの暦が公布されるまでに至ります。壮大な仕事を完成した人物ですから、どんなにか”立派な”青年期を過ごしたと思いますが、実は左にあらずの姿で描かれます。
 導入に当たる第1章「一瞥即解」が取り分け面白い。宮益坂(現在の渋谷区渋谷にある坂)近辺の金王八幡へ駕籠を奔らせた春海さん、そこで算額を記した絵馬の群れに出会います。そのなかに磯村吉徳門下の”遺題”(算術の問題のみが書かれ、答えの無い算額)を見つけます。(参考図1)
 その場で解法を試みますが解けません。帰る時間の切迫した春海さん、問題を頭にいれて駕籠で帰り始めますが、途中で刀二本を忘れた事に気がつき、慌てて金王神社に引き返します。そこで先ほどの”遺題”に既に答えが記されており、「関」と書かれている事を発見します。ほんの僅かの間に関(後に関孝和と知ります)なる人物がその遺題を解いてしまったのです。ほんの一瞥で解いてしまったので”一瞥即解”の士と心の中で呼びます。関孝和と渋川春海の初めての”すれ違い”の出会いでした。これが史実か否か私にはわかりません。少し時間を掛けて、幾つかのことと併せて調べてみるつもりです。
 この様なことだけでなく、春海さん算術においても失敗を冒し、謝る場面が多く登場します。その度に落ち込む春海さん。立派で近寄り難い人物としてではなく、身近な感じの、親近感さえ感じる人柄として登場して来ます。

 その後、時の老中酒井忠清から北極出地(全国規模の天文観測)を命じられ西は萩から北は奥州津軽まで測量の行脚を重ね、測量技術を習得します。更には会津藩主保科正之からは”改暦の義”を拝命します。その時までの数百年間使われてきた宣明暦は”日月の食”を正確に当てられなくなってきていました。幕府の中核担うメンバーからも改暦の必然性が認識され始めたのです。この大役を謹んで受けた春海さんの本当の苦労がここから始まります。
 圧巻はそれまでの宣明暦に対して、春海さん達が推進する授時暦が勝負を挑む場面です。今後2年間で起こる6回の”日月の食”をどちらが正確に当てるかという勝負です。5連勝するも最後の最後で予測を外し、敗れます。今までの努力全ては水泡に帰し、何故自分たちが正しいと信じてきた方法に誤りがあるのか、深くて長い暗黒の世界をさ迷います。その時、関孝和が現れます。

 この辺りも面白くて一気に読みました。又、登場する脇役たちの描写も素晴らしいと思います。多くの脇役の個性がしっかりと描かれていて、物語に厚みを加えます。
 算術では関孝和が、碁では本因坊道策が、暦学では渋川春海が傑出した天才と描かれていますが、私にはこの様な物語をものにした著者沖方丁も又傑出した作家と思えます。今年読んだ本の中でナンバーワンの出来栄え。本屋さん大賞にもノミネートされた模様です。

 (下図の参考図1に関連して)関孝和が”一瞥即解”し、春海さんが解けなかった問題が参考図1です。私も解いてみました。現代は方法論として代数(文字xなどを用いる解法)を持っています。その代数を用いて比較的簡単に解けました。高校1年生くらいの知識で解けます。4元の連立方程式になりますが、我と思わん方は解いてみてください。数値のみの解答を3日後に付記します。

 
 


京都4景

2010年04月09日 | 

 今回の京都・奈良旅行、計画段階では、出来得れば桜に出会いたいなと微かな期待を抱いていましたが、その期待以上の桜に出会えました。

 早速訪れたのは「イン・クライン」です。両側から”線路”を覆うようにして咲く桜と線路の風景を見たかったのですが、4月4日(日)、京都は絶好の花見日和。家族連れで線路上も、周りの土手も人、人で埋め尽くされていて、そのような風景は望むべくもなく、翌日の早朝に再訪することにし、「京都市立植物園」へ”進路変更”。 

          (半木桜)
 植物園近く、加茂川沿いの「半木道」(なからぎの道)には「半木桜」が6分咲き。










      (植物園内の枝垂れ)
  ここの「京都市立植物園」は60歳以上は入園無料。有難い限りです。桜のみならず、春の花々が咲き誇り、ここも家族連れで賑わっていました。小石川植物園以上の広さで、混み具合は気になりません。飲酒禁止ですが、シートを敷いて、お弁当を広げ、多くの人が花見を楽しんでいました。

     

 

        (イン・クライン)
 翌日は8時には「イン・クライン」へ。月曜日の早朝とあって、人影はまばら。昨年秋と同様線路上を歩むと、線路に覆いかぶさるように染井よしのが満開です。







     (田辺朔郎像)
 琵琶湖疏水完成の最大の功労者田辺朔郎の立像、今回は見忘れませんでした。

 











    (平安神宮神苑の紅枝垂れ)
 その後、白川沿いに進み、平安神宮へ。ここの神苑の「紅枝垂れ桜」が見事との妻からの情報で、拝観料600円をつぎ込んで入園しました。「細雪」にも登場しているとかいう「紅枝垂れ」見事なもので、奈良から帰ってきた4月7日にも訪れると、もう少し紅色が増していました。






(左:平安神宮神苑内の建物)


      (平野神社の枝垂れ)
 4月8日に、京都の見納めに訪れたのが「桜の平野神社」。早咲きで有名ですが、各種の桜が植えてあり、寒さが続いたせいか、それともこの時期に合わせた植樹技術のせいかは分かりませんが、その名に相応しい枝振り、花振りでした。






     (平野神社の桜)



(追記)
①「信三郎帆布店」の直ぐ傍に残った「一澤帆布店」には”当分の間お休みします”と書かれた張り紙が貼ってあり、「信三郎帆布店」の倉庫の様でした。
②京都や奈良の飲食店、概して値段設定がお安く、しかも美味です。妻がコース料理を食べられる状況でなくなってから、単品が注文できるお店に行くようになり、特にそう感じます。京都は過当競争です、安くて美味しいお店でないと生き残れないのでしょう。今回訪れて気にいったお店は、「京都芸術センター」内の「前田珈琲」、私達が宿泊したホテル「ヴィアイン京都四条室町」近辺の「清水屋錦店」(飲み屋)、「三井ガーデンホテル京都三条」隣の「伊衛門サロン京都」等などです。

 


『黒田塾』始まる

2010年04月04日 | 行政書士奮戦記
 昨日(4月3日)から、7月24日までの15回に亘る『黒田塾』第5期の研修会がスタートしました。場所は渋谷にある「伊藤塾」ビルで、時間は14:00~16:30です。初日の昨日、参加者は15名、内5名が女性でした。
 第1回目のテーマは「遺言(相続)業務の営業について」。遺言や相続についての民法上の一般的話しか具体的実例が登場するのかなと考えていましたが違いました。黒田先生曰く「初回の今日は緊張しているでしょうから、少し気楽な話にしました。具体例は今後じっくり話をさせて頂きます」との配慮からでした。
 分厚い資料が用意されていました。昨日の研修では取り上げられませんでしたが、縦書きと横書きの遺言公正証書が用意されていて、私は初めて見るものでしたが、今後大いに参考にさせて頂ける有難い資料です。

 話は「相続業務の具体的な営業」について、7ページに及ぶ印刷物と資料をもとに説明がありました。模擬授業でもそうでしたが、非常に分かりやすく、丁寧な説明です、「営業といっても堅苦しく考えるのではなく、人との交際・付き合いが実は営業活動です」の言葉に、それならば私の得意分野だと安心します。「年賀ハガキを出す行政書士は多くいるでしょうが、私は暑中見舞いを毎年出しています。ダイレクトメールを出していると考えれば、返事を期待することもないでしょう。ありきたりの文面ではなく、工夫を凝らしたものを作成し、これを継続するのです」と、昨年出した暑中見舞い状を資料としての説明。私もやって見ようと思える話です。

 この様な話が2時間15分ほどあり、あっと言う間に研修会は終了しました。休憩の15分間で、塾生同士の名刺交換もあちこちで。私も5人ほどの方と名刺交換。24日の研修会終了後は「交流会」が予定されていて、出欠を問う用紙が配られました。出席に○をして小島先生にお出ししました。いろいろな方と出会える事は楽しいことです。楽しみが一つ増えました。

 (暫く東京を留守にします。次回ブログは8日以降の予定です)

桜5景

2010年04月03日 | 身辺雑記

 桜の季を迎えています。早期に咲いた桜は連日の寒さで、開花の進行がゆったりで、お陰で満開のときが今週末にずれ込み、一昨日・昨日の強風にも耐えて、今”見頃”です。花見の宴も明日まで続く事でしょう。
 私は昨日、飛鳥山で花見。9名の参加で桜とお酒とお喋りを楽しみました。2次会はすぐ傍の『豫園飯店』で13名の参加(M高校の元同僚の集まりですが、昨夜はA高校の2名の方の飛び入り参加もありました)。この”花見の宴”も再開後8回目を迎え、参加メンバーも固定化してきて、1年振りの再会もありました。

          (宴会場所に張り紙)
 飛鳥山公園内に花見の席を確保した10時40分時点で宴席の写真は撮影しましたが、宴のお喋りに夢中になり、不覚にも、飛鳥山の夜の花の撮影はうっかりしてしましました。







 
 飛鳥山以外での今日までの数日間のご近所の桜5景です。
 その1は播磨坂の桜で第39回の桜祭りが明日までです。
 その2は小石川植物園の桜で家族連れで賑わっていました。
 その3は六義園ライトアップの枝垂れ桜です。
 その4は染井よしの発祥の地染井にある染井霊園での染井よしの
 その5はラジオ体操会場富士神社境内の桜です。
   
         
(その1:播磨坂)


       (その2:小石川植物園)


        (その3:六義園)



        (その4:染井霊園)


              (その5:富士神社)


 折しも今日は東京メトロ主催の「東京まちさんぽ」が行われ、地下鉄後楽園駅⇒播磨坂桜並木⇒六義園⇒湯島天神⇒日本サッカーミュージアム⇒後楽園駅のコース10Kmに参加する5000人の人たちが、我がマンション前の本郷通りを通り過ぎて行きました。この風景も春本番を告げてくれて、気持が浮き浮きしてきています。