下北半島の大間崎のキャンプ場でテントを畳んでいたら年配の女性が近づいてきて、「大間のマグロを食べたいのですが、何処か良い店を知っていたら教えていただけませんか。」と尋ねられた。
2017年に自転車旅で大間崎に寄った時に泊まった民宿のおばさんは「大間に大間のマグロ
いませんよ。東京に行ってしまうから。」と聞かされていたので、その時も今回も〝大間のマグロ〟は食べていなかった。
大間崎には数件の出店と食堂があるが、食べなかったのは値段がかなり高いこともあった。
件の女性にそのようなことを伝えると、「分かりました。」と帰って行った。
フェリー乗り場に向かう途中に寿司屋があった。
もう大間に来ることも無い。
そう考えると、昼前の寿司屋を通り越すことが出来ず、暖簾を潜った。
清水の舞台から飛び降りるようなつもりで?一番安い「特上にぎり 3,080円」を注文した。
出来上がるのを待っていると老夫婦が入ってきてカウンターの横に座った。
値段が高いからだろう、二人で小声で相談しながら暫く品書きを見ていたので、店主が「早く決めてもらえば座敷より先に握るから。」と急がすような言い方をした。
急ぐあまり、老夫婦は注文が二転三転した。
「特上にぎり」、「マグロ丼のトロと赤み」「マグロ丼のトロふたつ」
その都度、店主は奥の方へ変更を伝えるものだから老夫婦のあせりが横にいて伝わってきた。
店主が言うには、丼のご飯の量が違うので、奥の方へ伝えるのだという。
値段が3,080円から6,000円位にまでハネ上がった。
何度も謝りながら・・・。
折角の〝大間のマグロ〟はどんな味と想い出を老夫婦に残したのだろうか。
あのキャンプ場で出会ったご婦人はどうしたのだろうか。
食べたのだろうか。
注文した「特上にぎり」の〝大間のまぐろ〟は確かにクリーミィな舌触りと濃厚な風味があった。
1個しか付いていなかったけれど、老夫婦の様子に何だか胸が詰まって、私の〝大間のマグロ〟の想い出はそれで十分だった。
今回は沢山の若者に会いました。
京都と埼玉の大学サイクリング部、北海道の大学女子(珍しい)二人連れ、神戸の大学生ひとり旅。
皆、夏休みを利用して想い出、チャレンジでした。清々しいです。
大間のマグロは多少は残っていて、それが高価で提供されるようです。
〝食べさしてやる〟感があって、観光地として考えものです。
記事には書きませんでしたが、ほかにも寿司屋の主人の横柄な物言いがあって、老夫婦が気の毒でした。
大間の「横柄」は義憤に駆られましたよ!全国に宣伝してやればよい。心ある大間の人も目をしかめていると信じたいから。
何位せよ、今回のエントリーは「読ませました」とお伝えしたい。