ワールドカップ以来のラグビーTV観戦だった。早稲田、天理とも反則が少なく、点差以上に見応えがあった。攻めても守っても天理の前に出るパワーが早稲田を上回っていた。
早稲田は対抗戦で明治に破れており、天理は大学選手権の準決勝でその明治に勝っている。ラグビーの〝伝統的三段論法〟では天理が学生日本一になるのが順当ということになる。なので天理を応援した。
「俺たちは負けない」天理の頭の中にはそのことがあったはずである。ましてや同じ関西リーグの同志社がコロナ辞退している。「アイツらの分も」士気は一層高まったのではないか。
ラグビーは最初の10分、ファーストスクラムが試合の流れを大きく左右する。「俺たちは負けない」天理の気迫が立ち上がりの2トライを引き寄せていた。
早稲田に1トライを返されても動揺すること無く、自信に溢れていた。現役の相当な練習量の裏打ちと関係者の長年の支援の積み上げがあったのだろう。
学生時代に名古屋瑞穂ラグビー場での地区対抗大会(インカレ)で関西社会人リーグの強豪三菱自工京都のお世話になったことがあった。当時、同志社は関東の壁の前に屈し、天理はその後塵を拝していた。
関西勢が優勝するのは故・平尾誠二、大八木淳史らの同志社以来36シーズン振りという。どこからも攻撃を仕掛ける完成形があった。もうそんなに時間が経ったのかという思いだ。
就任して26年、今日を確信していたような監督の落ち着いたコメントが天理大の強さを現していた。3度目の決勝進出で遂に全国制覇した天理大に拍手だ。