犬の散歩に知らない男の子がどこまでもついてきた。
「知らない人についていくとお母さんに叱られるよ」
「おこられないもん」
私の心配はよそに くうは、おともができてうれしそう。
「あのさぁーこの犬 名前はなんていうの?」
「くうよ。あなたは?」
「なおちゃん!」
このなおちゃんは、高い所を見つけると必ず上る
きわめつけは、川にある土手の上すれすれを塀につかまりながら歩いている。
飛び降りたり走ったり じっとしていない。
「すごく すばしっこいから 何かスポーツをやるといいかもね」
「無理無理 なんにもやってないよ!」
そんなことを言いながら跳躍している。
「ふぅ~ん 才能ありそうなのに もったいないね」
「ホント?」
「うん」
「年は、いくつなの?」
「4年生」
「くうはいくつ?」
「この子はね、1年と5ヶ月かな?」
「ちっちゃいね」
たわいもないことを話しながら 立ちどまって歩かなくなるくうを励ましたり
そばからはなれない。
あっちへ行けって言うのもなんだか変だし・・
やっといなくなったと思うと道を走り回っては、もどってくる。
「友達は?」
「いないよ」
「最近の子は、何かやっていて忙しいからね。外で遊んでる暇なんか無いのかな」
「・・・」
「なおちゃんは、外でなんか発見して 毎日、楽しく過ぎてくね」
「楽しいことなんて何もないよ」
「発見が足りないからだよ」
「そうなの?」
「見つけるものだからね」
暑い日のせいか くうは、ハァハァしている。
なおちゃんは、マネしてはぁはぁ
「なんで ハァハァいうの?」
「道が熱いからかしら?」
「日向と日陰でずいぶん温度が違うんだね」
二人で道にベタベタ手をつけて温度の違いにびっくり
長い散歩も終わって バイバイするとき
「またさ 一緒に散歩していい?」
「いいよ!こう見えても私は、仕事をしているからね。 ふだんは、昼間はいないから夕方過ぎなら家にいるよ」
「なおちゃん楽しかったね ありがとう」
「バイバイ」
木製パレット屋のつぶやき