大津市で昨年10月、市立中学2年(当時13歳)の男子生徒が自殺した問題で、生徒が通っていた中学で3日、2学期の始業式があった。夏休みには生徒約300人が、いじめの実態を巡り滋賀県警の聞き取りを受けたほか、秋には市の第三者調査委員会の聞き取りも予定されている。男子生徒の同級生は3年生で受験も控えており、「新学期こそ平穏な学校生活を送りたい」と切実な願いを語った。
市教委や生徒によると、始業式は午前9時から約1時間行われ、その後各学級で、いじめ対策担当の教師を置くことが説明された。生徒約30人が欠席し、男子生徒の担任教師は体調不良で当面休むことが決まったという。
正午過ぎに下校を始めた生徒たちは複雑な胸中をのぞかせた。3年生女子は、校長が式で「警察の聞き取りでつらい思いをさせた」と陳謝したことに対し、「本当に迷惑がかかっている。もっと早くいじめに対応していればこんなことにならなかったのに、今さら言われても」と憤った。
一方で、3年生男子は「マスコミは学校批判ばかりで、本来解決すべき生徒間の問題にどう向き合うのか全然触れられていない。そういうタイミングで警察にじっくり話を聞いてもらうことで胸が晴れた気がする」と冷静に語った。
また、2年生男子は生徒の自殺について「うまく言葉にできない。でも、こんなことが起こってはならないと思う」と改めて強調。市教委が掲げる「いじめを許さない学校づくり」への期待をにじませた。中学には新学期からもスクールカウンセラー2人が常駐されるほか、3日から1週間かけて全校生徒を対象に面談を行い、悩みを聞き取るという。
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題をめぐり、8月にさいたま市の男子大学生(19)にハンマーで殴られ、頭部骨折などで療養中だった同市教育委員会の澤村憲次教育長(65)が4日午後、約3週間ぶりに市役所に登庁。「職責をまっとうし、いじめを許さない学校づくりに取り組む」と話した。
澤村教育長は市内の病院に入院していたが、2日午後に退院。主治医から今後3カ月~半年間の業務軽減が必要との診断を受け、当分の間、自宅療養を続けるという。
澤村教育長はまだ右目にはれが残り、報道陣に対し「当面は安静に努め、徐々に執務ができるようにしたい。できるだけ早く職場復帰したい」と用意したメモをゆっくりと読み上げた。
澤村教育長は8月15日午前7時50分ごろ、市役所内で男子大学生にハンマーで右側頭部を殴られ、頭部骨折や顔面打撲などのけがをした。
大津地検は4日、殺人未遂容疑で逮捕された男子大学生について、精神状態を調べるため地裁に鑑定留置を請求し認められたと明らかにした。
地検は鑑定留置について「家庭裁判所に送致するにあたり意見をつけるため」としている。留置期間は発表していない。