演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

08/07/12 上野広小路亭中席(お仲入り後入場)

2008-07-12 | 芸協定席見ブんログ
===お仲入り後===

神田きらり…『寛永三馬術 誉れの梅花 愛宕山(半ば)』

マグナム小林…「バイオリン漫談」
(ナイツ順序変更)

三遊亭とん馬…『代り目』

三笑亭笑三…『縮辞』

ぴろき…「ギタレレ漫談」
(松旭斎小天華休演)

三遊亭遊之介…『鰻の幇間』


いつもの土曜ならウダウダと4時頃まで仕事をしているのに、きらりさんが出演となれば話は別。
ぱっ・パッ・PAと仕事を終わらせ、何とかお仲入り中の客席に飛び込みました
最前一列ががら空きの客席。迷わず上手側へ。程なくして幕が開ききらりさんが登場
息を整える暇がなく、「待ってました!」を掛けそびれました
もっともいきなり入って来て「待ってました!」もないもんですが…
「今日は何を聴かせてくれるかな?」と思ったら、私が一番好きな『愛宕山』でした。
実は一昨日の『明日の講談カタログ』の打ち上げの時、他のお客さんに「きらりさんのネタで何が一番好きですか?」と聞かれ、間、髪を容れず「“愛宕山”です」と答えたのを、きらりさんは覚えていてくれたのかもしれません。
「“愛宕山”はもう10回近く聴いていますが、何遍聴いても楽しい読み物です」
と答えたぐらい大好きな読み物です。
今回は時間の関係で曲垣平九郎が登場するまでで終わってしまいましたが、まずはきらりさんの高座を最前列で見られただけで大満足です

マグナムさんはいつものネタに加え、今回は初めて『天国と地獄』を聞くことができました

とん馬師匠は酔っ払いのマクラから入りましたが、面白かったのは「なぜ酒を“百薬の長”と言うか」という話。
「よそで言っちゃダメですよ」って言ってたのでネタばらしはしませんが、妙に説得力のある内容でした。
酔っ払いの亭主がおかみさんを騙して酒を出させる場面ではおかみさんが、「この、インチキ男!」・・・場内の旦那連中にウケてました
続いておかみさんが「うどんの屋台が出てたから買ってこようか?」という珍しい発言
すかさず「うどんよりおでんにしようか」と前言撤回しておでんを買いに行きました。
残された亭主は鍋焼きうどんやに燗を付けさせ、さらに新内流しを呼び止めて都々逸を唄わせました。しかもお囃子さんの三味線入り!
都々逸は英語で「ジャジャーマニィ」という亭主と、小噺をあんこに挟んだ都々逸を唄う新内流しの掛け合いが秀逸でした
興に乗った亭主はついにかっぽれを踊る始末。とん馬師匠は高座で座ったまま“かっぽれ”を踊りました
久しぶりに本来のサゲまで聴けた上に、芸者達・・・有賀さつきじゃないっつーの!芸達者なとん馬師匠の諸芸に、こちらが酔い痴れました

笑三師匠は浅草とはちょっと違う重い客層にやや苦戦気味でしたが、そこは大ベテラン。
×マーク担当の昇々さんを巧みに操って客席を沸かせました。

ぴろき氏も重めの客層に苦戦していましたが、最後は笑いに変えて行きました

遊之介師匠は主任ということいつものマクラは無し。
“幇間”の話を出して来たので、きらりさんと同じく「愛宕山」かと思ったら『鰻の幇間』でした。
“のだいこ”がやたらヨイショをする場面よりも圧巻だったのは愚痴を言う場面。
腹立ちまぎれに文句を言う“のだいこ”と、飄々と受け返す鰻屋の女中。
やっぱり“主任高座”は普段より一味も二味も違う面白さを感じました