いよいよ治療方針である。治療?もちろん頻尿・夜間尿についての治療である。くれぐれも申し上げるが、アレの治療ではない。
関心のある方に正確に書くと、テストステロンという薬を筋肉に注射するのである。125mgなので1cc~2cc程かと思う。副作用はある。まずは、前立腺がんのリスクがやや高まる。従って、その値を慎重に経過を見る。治療前にすでにそのリスクを示す値が出ていたら治療は行わない。また、吹き出物や肌荒れが出る可能性がある。これは命に別状はない。そして、稀に最初の注射時呼吸に障害が出る場合があるとの事だ。慎重に対処するため初回だけ注射後、しばらく院内にて待機する。
以上の説明を詳しく受けた。しかし経過観察シートを見て驚愕する。日々体調の変化を記入するように指示された。そのシートには、⓵朝の目覚め(睡眠の深さ)②体調(だるさ加減)③就寝時尿回数(何回起きたか?) そこまでは良かった。 ④には、朝勃起 と、書いてある。 先生!⓸は必要でしょうか。先生答えて、おしっこを正常にするためにはペニスや周辺の毛細血管の機能回復は重要ですと。
つまり、繰り返すが朝のアレのソウなるのと、昼にいやらしい妄想からアレがソウなるのとは機能の意味が違うのだそうだ。朝のアレがとても重要なのだ。悔しいので、⑤昼立ち ⑥夕立 と、書き加えた。 ⑤は、男子たるもの一日中アレがソウならないなどとは許せない。朝ではなくとも一度でもアレがソウなれば記入してやろう。⑥は、季節柄お天気欄である。
先生は、苦笑するが無視してくれた。良い先生だ。明日から毎日、朝勃起と向き合うことになる。違う夜間頻尿が重要なのだ。いつの間にか診療の目的が変わってしまったような気がした。