13番 戒光寺
東山区泉涌寺山内町29
正式名 泉山 戒光律寺
別称 丈六さん
宗派 真言宗泉涌寺派
本尊 釈迦如来
開基 浄業
参道に出て、来た道を戻る。もちろん泉涌寺山門が右手にあるが、このシリーズは大規模寺院を紹介する目的ではない。数分歩けば右手に戒光寺が見える。筆者は何度も見逃してしまったので、注意して訪問したい。拝観寺ではないので本堂に上がるには勇気がいる。降るガラス扉を開けると巨大な釈迦如来像が迎える。鎌倉時代に運慶・湛慶の親子が彫った丈六の像である。丈六とは仏の正確な身の丈である一尺六寸(4.85m)の仏像の事である。当初は大宮八条にあり、一条戻り橋から三条へと転々とし後水尾天皇の発願により泉涌寺の塔頭寺として現在地に移転した。素朴な本堂の中で厳粛な中、圧倒的存在感の釈迦如来を拝む。さて、この仏像は、「身代わりの丈六さん」と言われる。
後水尾天皇は東宮政仁親王時代に皇位継承の争いに巻き込まれていた。ある日寝室で就寝中、暗殺者に寝首を掻かれた。ところがその時、このお釈迦様が身代わりになって首を切られたと言う。朝になって見ると確かに、仏像の首には血痕が残っていたのだと言う。現在もはっきりとその跡がうかがえる。訪れる人は余りないが、マニアには見逃せないお寺だ。観光気分では行けないが是非立ち寄りたい。
もう一つ塔頭寺を見てから東福寺に行く。