第4回 艶笑
各地方にも艶笑譚は多い。
エロいことに関わる笑い。艶笑話は、落語などでエロごとに関わる落とし噺である。現代では、上演に耐えられないきわどい話が多い。関西では、露乃五郎(故人)が好んで演じていたが、公序良俗に触る話がほとんどで今日ならば男女差別やジェンダーフリーなど多くの問題を含む。筆者はむしろ大ぴらに話し合える艶笑話と言うものは先進的で開放的で素晴らしいと考える。
艶笑と言うものは、解釈が幅広いので、誰にも日常的に発生しうる。ここにいる熟年の奥さん、旦那とは数年以上床を共にしていない。お互い一人で寝るのが当たり前のこととなっている。性欲はまだあるが、我慢できない程でもない。旦那は、エロ雑誌など枕元に隠しているので、自ら処理?しているか、たまには風俗にでも行って発散しているのだろう。自分は時々、好きな男性俳優の事を想像して股間に指を入れてモゾモゾする程度だ。今日もそんな瞑想を楽しんでいる真っ最中、旦那が珍しく布団に闖入して来た。
寝たふりをして、旦那を受け入れることにした。なぜか意地を張って喜んで応じるのも恥ずかしい気分でもあった。目をつぶり事に及ぶ旦那を無視したが、空想の中ではすでに受け入れる準備が出来ていた為、不覚にもすぐにチョット軽い快感がおそった。
寝ている振りを続けたが、夫に背中を向けたまま思わず笑みがこぼれた。これが艶笑だ。