「時として、金銭欲・権力欲・性欲、3欲の絶倫天皇が現れる。」
自由な古代の性
皇位継承について考えている。その為には、金銭欲・権力欲・性欲は必要だ。特に、性欲は具体的に後継者を多く作ることになるので最低条件である。白河天皇以降は、73代堀河天皇―74代鳥羽天皇―75代崇徳天皇と、順調に皇位が親から息子に引き継がれているようだが、崇徳天皇の母君は、待賢門院(璋子)、もちろん鳥羽天皇の皇后なのだが、しかし、実父は曾祖父白河天皇と言われている。性について、おおらかな昔の話とはいえ、自分の寵姫を孫である鳥羽帝に差し出した。それだけでも現代では考えられないが、その後にも関係を続けたのである。その待賢門院 (藤原璋子)は絶世の美女と言われ、幼少から白河院の手元で育てられ、慈しみ。そして女?にされたのである。その璋子を密かに国母(天皇の母)にするために、用意周到に孫の鳥羽天皇に差し出したのである。この経緯は、渡辺淳一作『小説天上紅蓮』に詳しい。
鳥羽天皇は、生涯、崇徳院を「叔父子」(子とは言え祖父の子は叔父)と呼んで嫌った。白河上皇の庇護があり崇徳天皇となったが、白河院の死去後、その影響力が無くなると崇徳院に対して鳥羽院は実の子の近衛天皇に無理やり譲位させた。因みに鳥羽院の寵愛はすでに別の女性である美福門院得子に移っていた。そこで崇徳上皇が、せめて自分の子に次の皇位をと思って仕掛けたのが、「保元の乱」である。その時点では、白河上皇も待賢門院もこの世にはいないが、二人の不倫行為は国を二分する大騒乱を招いたのだ。それにしても待賢門院はかなりの美人で魅力的な女性だったのだろう、鳥羽天皇との間にも4男2女をもうけている。出産をはさんで美貌が落ちる当時のことを思えば驚異的なことである。そして、何よりこの時代の皇族たちの生殖能力の高さに驚く。