年に似合わず緊張して診察室へ。
診察室は町医者と変わらず、老齢の男性先生と若いカワイ子ちゃん風の看護婦が控えていた。まずは最近の体調不良を説明したら、コロナの自粛で体調を崩す人が多いのだそうだ。特にメンタルに起因する更年期障害や男性はEDが急増しているのだそうだ。
なるほど、家で暇な夫婦がすることはやはりアレである。4月以降自粛生活が始まった時に、日経平均株価は暴落を続ける中、オカモトや相模ゴムなどのコンドーム専業会社の株価は上昇していた。ニューヨーク大停電の10カ月後にはベビーブームが到来したことは有名だ。ところが草食男子たちのみならず心身の疲れで思うように行かない人が多い。そんな中、生殖の必要性のある者や何かの事情で奥さんを放置できない方達が一斉に来院するのだそうだ。
いやいや先生! 子作りの必要性も配偶者への配慮も不必要です。私はその様な悩みではありません。と言うのに先生は聞かなかった様に、まずは睾丸の大きさを測ると言う。 筆者は生涯で男性に睾丸を触られたことはない。もちろん女性といえども配偶者か幼少の頃の母親だけだ。ベッドに仰向けになった筆者にズボンを膝まで下ろすように指示。なお股間を隠す私に手をおろして楽にするように指示された。
男子たるもの、戦闘態勢になっていない我が一物を他人に見られることは屈辱だ。平常時のアレは幼児のアレと遜色ないものである。特に筆者はその格差が大きい。先生は無表情にゴム手袋をはめて一層悲惨に萎えたチンチンをツマミその下に隠れるふくろをまさぐる。横に立つ看護婦もあらぬ方向を見ているように焦点定まらぬ目で筆者の衣服の裾を持ってサポートしている。
わずか数秒の作業だったはずだが、中国悠久の4千年の歴史をこの瞬間に感じたほど長い長い時間であった。なるべく堂々と振舞ったが、我が一物は正直にその恐怖感と屈辱をその身に現していた。4歳の我が孫のソレにも負ける委縮状態であった。
補助する看護婦は、我が身体に一切触れず衣服の一部をつまんだだけなのに、猛毒の薬品に触れたようにゴム手袋を外しすぐ消毒液に手を浸していた。その表情に何の感情も伺えなかった。
先生はすぐ、机の上のたまご状のピンポン玉のようなものの大小10種類ほどのサンプルを眺めて中央やや小さめのタマを指さして「このくらいかな。」っておっしゃる。それが筆者の睾丸の大きさだとおっしゃる。ちょっと小さい?一層屈辱感を募らせる。(泣)