岸田首相が言い出した防衛費を増額する分の一部・1兆円を増税で賄うとの話。
自民党内で色々と反対意見が大っぴらに語られた。
どうなる事かと注目していたら、会議一発で押し切った感じになりました。
部分的には反対派の意見を受け、実行への踏み込みが弱くなった感じはするが、来年の同時期に細部にわたり確定しようとしています。
表面上は自民党の税調会長一任となったのだけど、会議終了後も反対派の気持ちは収まっていない。
一年後にはどうなるか分からないという見方も出来ますし、実際に実施するまでに岸田首相が、その座を降りていたら反対派は廃案行動に出ると言う含みも残っている。
ただ岸田首相の強みは「防衛費の増額は必要」と大半の自民党議員が思っている点です。
その上に、何に使われるか? どう予算を確保するか? この二点に意見の違いがあるだけで、目指す方向が同じなので、反対派も実施に遅れが生じる様なことは出来ません。
岸田首相は少数派閣からの首相で基盤は弱い。
小泉純一郎と同じ状態の首相で、小泉元首相も自民党の多くの反対議員がありながら「郵政民営化」に突き進んだ。
その当時の首相の任期は、まるで小中学校のクラス委員のように1年余りで終える人が多かったのに5年5ヶ月にわたりその座を保ち続けた。
小泉元首相は北朝鮮拉致被害者を直接北朝鮮に行って、5人を帰国させたりして国民の人気が高く、小泉首相の仲間に成れば自分の選挙の勝利が見える状態になり、派閥は違っても多くの議員がなびくようになった。
この国民に人気があると言う力は国会議員たちにとり超・魅力的で、その前には自分の主義主張も捨ててしまう。
そんな強力な武器を手に入れなければ、小さな派閥からの首相の寿命は短い。
暫く国政選挙の予定がなく、岸田内閣はしばらく続きそうですが、余りにも不人気だと首相は国民に問う為に解散に踏み切らなければならなくなる。
逆に小泉元首相の様に国民に人気の高い首相なら、そんなに反対するなら天下の宝刀「衆議院解散」で、すべての議員の首を切ると言えた。
つまり「解散」を武器に使える人と、そうでない人では権力に大きな差が出来てしまう。
岸田首相が就任直後に言った「聞く力」も大事ですが、批判覚悟で「強引に押し切る力」も最高権力者には必要です