和歌山の資産家が死亡して、その妻(現在は元)が殺人罪で逮捕された事件。
世の中の心証は殆どがクロ。
しかし判決は無罪。
裁判長の話を聞けば、どの様にして覚せい剤を摂取したかという点の証明に問題が有り、検察の証明では不十分と判断した。
裁判長の福島恵子さんは
「亡くなった本人(野崎幸助さん)が誤って過剰摂取した可能性が有る」と
裁判長の全体的な話から、色々な証拠は認めるものの、抜けている部分もあり、有罪と確定できないと。いわゆるる「疑わしきは罰せず」と言う事なのでしょう。
どうやって摂取したかの証明など、まず不可能でしょう。
「強精剤」と言って、カプセルに入った大量の覚せい剤を飲むよう勧めたら・・
前段の「強精剤」と言った部分は証明できないので、全体的な流れを証明する事など絶対に出来ない。
強精剤は若い妻を持つ高齢男性の弱点です。
まして若い妻から望まれたら・・・
これは一つの例なので、2人の間には2人しか解らないお互いの弱点がある。
人間自分の弱点を攻められると、一般常識から離れた行動をとっても、何の不思議でもない。
お金が弱点なら、お金で老人の愛玩具にもなるように。
一種の遊び人でもある野崎幸助さんが、覚せい剤と知ったうえで、大量に飲むことなどありえない。
もし裁判長の言うように「誤飲の可能性を否定できない」とするならば。
家政婦さんが外出して、二階の紀州のドンファンと一階の元妻の状態から。
元妻はいつもと違って何度も二階に上がっている。
ならば、覚せい剤を誤飲した人が異常な状態になっているのに気が付くはず。
過剰に覚せい剤を摂取すると心拍数が急激に上がったり、体温上昇があったりする。その他にも幻覚・極度の不安・極度の興奮・震え・吐き気・発汗など有る。
元妻が何度も行き来してるのだから、その状態を確認するか、発見前に助けを求める声を聞くでしょ。
誤飲したと仮定するなら、それによって現れる状況に全く触れていない。
この裁判長の判断は袴田事件の冤罪確定が大きく影響していると思います。
仮に有罪と判定しても、被疑者は否定しているのですから、裁判は最後まで続きます。
そして、最終的に有罪が確定しても、被疑者は冤罪だと言い続け、それを応援する人も現れるでしょう。
この和歌山の裁判長は、その嵐の中に入りたくなく「疑わしきは罰せず」を使ってしまった。
参加した陪審員も密室で法のプロから説明を受ければ、本来求められている市民感覚など消え去るでしょう。
確かに「冤罪」は万に一つでも有ってはならない。
しかし、現実社会の中で100%なんてありえない。
自分の判断で99%なら、責任を持って100%の答えを出すのも裁判長の務めだと思います。
決して冤罪が有っても仕方ないと言っているのではありません。