「シオンの娘よ。子を産む女のように、身もだえし、もがき回れ。今、あなたは町を出て、野に宿り、バビロンまで行く。そこであなたは救われる。そこで主はあなたを敵の手から贖われる。」(ミカ4:10新改訳)
これはエルサレムが炎上破壊され、ユダの人々が捕囚となってバビロンに連れて行かれる預言である。「子を産む女のように、身もだえし、もがき回れ」とあるが、預言から数十年後、ユダは占領され、エレミヤはエルサレムの凄惨な有様を哀歌に描いた。▼こうして、せっかく与えられた約束の地に、イスラエルは千年も住まないうちに再び放浪の民となった。たとえ神の民であっても、心深く巣食う罪の腐敗性に勝利できなかった事実を、彼らの歴史は示す。▼しかしミカは「そこで(捕囚の地バビロンで)あなたは救われる」と預言する。ふしぎにもダビデの血筋は保存され、聖地帰還が実現、やがてベツレヘムにおけるキリストの御聖誕となっていく。全能の神は、人の罪や堕落に左右されることなく、着々とみわざを進めたもう。◆ミカの筆はさらに走り、終末の大預言となる。エルサレムは回復し、文字通り世界の中心となり、全世界の国民が主にお会いするために集まって来る。それはエルサレムに臨在される主イエス・キリストから神のことばが発せられるからである。こうして、「主は多くの国々の間をさばき、遠く離れた強い国々に、判決を下す。彼らはその剣を鋤に、その槍をかまに打ち直し、国は国に向かって剣を上げず、二度と戦いのことを習わない。」(ミカ書4:3同)◆ミカは世界にイエス・キリストによる恒久平和がかならず到来することを預言した。しかもそのキリストがベツレヘムから出ることも預言しているのである。たった7章の短い預言書だが、ミカの筆に全世界が希望の基を置いている。彼の言う通り、キリストが第一降臨されたのであれば、彼の言う通りに再臨が起こるのは当然ではないか。主よ、早くお出でになりますように。マラナ・タ