天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

間違う

2010年04月10日 | 林成之
脳には間違う仕組みがあります。例えば、フィギアスケートのジャンプのときに、ジャンプできて「やった!」と思ったときに、コーチから「笑顔で滑れ」と言われた途端に転ぶ。脳は、新しい情報にすぐ反応します。2階に上がって何しに行ったのか、わからなくなることがあります。いくら考えてもわからない、不思議なことに下りてくるとわかる。途中で違ったことを考えるからそうなります。脳はそうやって新しいもの新しい情報に瞬時に反応していきます。
自分の身近な上司や親が叱ったり怒りっぽい人だった場合に、それに対してめげずに、自分の能力を発揮するためには、まず堪え忍ぶことです。どんな変な上司でも好きになったら、その部門で才能を発揮します。上司はどんな変な部下が入ってきても、その部下を好きになったら、上司はその部門で力を発揮します。だから、どんな変な上司でも、いいところを見つけて、堪え忍ぶこと。そして、俺の力で変えてやろう! と。そういう考え方でやってくと変わってきます。そのときに、損得抜きにその人のことを思って、対応していくという……。何のためにその部署にいるか、原点に立ち返って、勝負脳をかけていけば上司も変わってきます。暗い上司であれば、明るい話をすれば変わってきます。
人間はまわりのことを考えながら行動、判断する習慣になっています。原始的な思考は、そうなっています。だから、みんなが同期発火するというか、数の多い方が間違った仕組みをとっていれば、知らないうちにはまってしまいやすい。世の中の指導的立場にいる人たちが、違ったことをやってしまうと、それが普通になってしまいやすい。人間というのは、数が多い方に統一、一貫されます。これも脳の間違う仕組み。だから、どう対応するかじゃなくて、よくない行動は変えることも大事。「それは、いけないことなんだ」と。教育においても、「成果、成果」というのではなくて、もっと才能を発揮するためには、好きになり、お互いの違いを認めて、みんながワクワクやっていくことで、すごい才能を発揮します。

空間認知能力

2010年04月10日 | 林成之
男と女は、まず目から違います。女性の目は、ものを見たときに網膜が3層になっていて、分析がちゃんとできます。近くのものは非常に正確に見えます。男の網膜は非常に薄くて、全体像はよく見えていますが、目の前のことがよくわかりません。男の脳は、形、色だけではなく、ものの流れとか道理とかを含めて空間認知していますので、非常にロジカルにものを考える仕組みになっています。これに対して女性の脳は、空間認知の細胞がそこにあるのではなくて、言語中枢にあります。だから女性はしゃべることによって、アイデアが出てきます。

人間の脳はどこを使って才能を発揮しているのかと言うと、第1段階は「空間認知中枢」という、正確にものを見る水平目線。多くの方は右利きなので、ちょっと体が傾いています。それを脳の中で補正しなくてはなりません。才能がある人は、立っていても座っていても運動していても、その姿が美しい。第2段階、A10神経群、好きになる、興味を持つ。第3段階は前頭前野で正確な判断をして、第4段階、自己報酬神経群で、勝負が決まります。「自分からヤッテやる!」という神経が働いて、第5段階、繰条体・海馬・リンビックで繰り返し考える習慣と記憶……、こういう仕組みになっています。自分の気持ちや考えを鍛え、いい性格をつくり、それを磨くことによって、何事にも手を抜かない習慣を鍛えていくと、必ず将来すごい光るような仕事をする頭になっていくようになっています。

超一流選手は、目が傾きません。水平目線でいちばんすぐれているのは王 貞治さん。構えているときも、目線だけは水平、傾きません。イチロー選手は、バッティングフォームで目線を水平に戻してからバッターボックスに入るようにしています。ところがWBCのときだけ、傾いていました。そして、最後の日だけ元に戻っていました。なぜ、戻ったかというと、イチロー選手らしい逸話をつくっていて……。「ただいまからイチロー選手、バッターボックスに入ります。何球目かでこういうふうになってこういうフォームで構えます」と自分で解説することによって言語の空間認知能力を使って元に戻しました。空間認知能力は、視覚中枢のほかに言語中枢にもあります。空間認知能力というのは、それくらい影響します。普通はボールを投げた瞬間に「入る」とわかるのが空間認知能力ですけど、マイケルジョーダンはドリブル中に「入る」と言いだします。そうすると、もう目線が全然傾きません。飛び上がっても傾きません。

守り

2010年04月10日 | 林成之
様子を見ながらこつこつしません。こつこつっていうのは自分を守っています、一気にやります。決められた期間を一気に一気に一気にってやってると、普通の人では無理だと思うことも駆け上がっていけます。こつこつ様子を見ながらやっている人は、そんなことはできません。損得抜きに全力投球でやることが、シンプルなやり方ということです。勝負に強い脳は「自分からヤッテやる!」という自己報酬神経群で決まります。「残り10メートルでゴール」と意識すると、「自分からヤッテやる!」という神経群が「もうゴールだ」という意識になります。その瞬間、心技体の力が止まります。「残り5分で勝てる!」と思っても脳は、機能を止めますから、そこでただの選手になってしまいます。逆転負けをくらいます。「リードしてる、あと2分」そう思った瞬間ダメになります。サッカーでも、ゴールと思って蹴ると、脳はただの選手になります。脳の中で「ゴール」を意識した瞬間に、体がダメになってしまいます。
ジーコさんがいいことを言っていました。「あれは、ゴールと思って蹴ると入らない。ゴールを通り抜けるバーだと思って蹴ったら入る」と。ゴールと思ったらダメなんです、ゴールを通るバーだと思うと、ゴールのどこを通そうかというふうに脳が働くことになるので、ものすごく正確な動きが生まれます。水泳選手にもそういう話をして、ゴールを意識しないで泳いでみようってやってみたら、世界新記録が次々と生まれました。途中で「ゴールだ」「終わった」と意識してはいけません。勝ち負けに勝負をかけるのではなくて、勝ち方に勝負をかけないとだめです。達成の仕方に勝負をかけます。すごい人は、勝っても勝っても「勝った」と言いません。

ストッパーを外す

2010年04月10日 | 林成之
成功する人には勝負脳の法則があります。人間の脳はどうにでも対応できる力を持ってるので、一番は目的よりも目標に集中すること。勝ち方に勝負するので、脳はすごい力を発揮します。勝ち負けにこだわると「負けるかもしれない」という否定語が入ってくる、脳はそれについて守ろうという考え方が生まれてくるので力が発揮できません。勝ち方にこだわる。そして問題を明確にして達成方法を考え、最後まで一気に駆け上がること。
競泳選手のアメリカ合宿で「否定的な言葉を使わない」「一気にかけ上がる」「極限の手を抜かない」は合言葉になりました。「本番で実力以上の力を発揮できない理由」「明るい前向きの性格」「否定語を含まない考え」「いつでも全力投球」ということが、脳のストッパーをはずします。いざとなったとき、すごい力を発揮します。才能を磨くことになります。長時間根性を入れて練習することはなんの足しにもなりません。試合もコーチも嫌いになるだけです。だから、力を発揮できません。守りがち、気持ちが攻めない、全力投球していない、これはだめです。勝てません。損得抜きの素直な性格はすごい力を発揮します。ライバルは自分を高めるツールだと考えます。ライバルを敵と思ってはいけません。「敵」となると守らなきゃいけない、打ちのめさなきゃいけないとなり、人間の脳は違いを求めてともに生きるという仕組みに反することになります。それをどう生かすかと言ったら、勝ち方に勝負をかけます。そして、チームのためにコーチ、監督を好きになります。だから「コーチは選手にとって神さまがつかわした人なんです。技術、知識、脳の力をフルに発揮して、日本人がすごいってことをみんなに見せよう」というのを合言葉にしていました。コーチたちも感動して「やってやる!」と、すごかった。平井 伯昌コーチから「先生、オリンピックで彗星のごとく記録を伸ばす子がいるのはどうしてなんですか?」と聞かれた。命がけでがんばる。考えてはだめ、考えなくてもだめ、無心の集中力。そして、興奮したらすぐ横に抑制作用が働く脳があって、それとのリズムにのる。そのリズムは1秒間に4~8サイクルのシータリズムって言うリズム。岩崎 恭子、カール ルイスのリズムは4拍子プラスシンコペーションというリズム、これは気持ちがのってくると加速してくるリズム。そして、この仕組みを使うとその先に、感情中枢が入ってるので、「超気持ちいい」となります。

勝負脳

2010年04月10日 | 林成之
脳の根本の欲求は、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の三つで、「意見や立場の違いがあっても、それを認めながら共に生きること」を求めて機能しています。「誰かに勝つこと」とか、「自分だけ良ければ」を求めておらず、「自分と共に相手もいい思いをする」ことを求めています。

 脳は具体的な目標がないと力を発揮しません。また、目標が設定されるだけで、ドーパミンなど、さまざまな活性化物質が生成され身体機能、脳機能が高まります。具体的に「こうしたい」という目標をもつことが、すべての始まりです。その目標は脳の根本の欲求に沿ったものでなくてはなりません。脳は必要のないものや、面白くないものは3日間で忘れます。記憶するにはどれだけ興味を持てるか、いかに好きになれるか、が重要になってきます。そして取り組みを始めたら、休まずに一気に駆け上がることが重要です。脳には限界はありません。それまでの自分を超えたとき、新たな神経回路が築かれます。だから、どんなに大きな仕事をしても、すごい仕事をしたと思ってはいけないのです。脳には『自己保存』の本能があるので、目的や目標の達成が困難になった場合は、理由をつけて方向転換しようとします。『できなかった』という現実がクセになると、そのパターンが脳に刷り込まれ、成功パターンを忘れ、努力してもいつも達成できない負け癖の脳ができてしまいます。成功するまで続けること。その繰り返しによって脳は成功パターンを覚え力を発揮します。

これらを実践するうえで重要なポイントは2つ。 1つは「否定語を使わない」。「難しい」「大変だ」などの言葉を発した途端に、思考と運動系をつないでいる神経が遮断され、手足が動かないで、ただ考えているだけの状態になります。否定語を多用すると、ドーパミンA10神経群の機能が低下し、脳が活性化せず、意欲低下、思考低下を生じます。否定語はどこの何に向けて思った物であれ、プラスマイナス関係無しに、失敗するような脳回路を自分に形成します。活性化物質は抑制され、ひらめきもうまなくなります。否定語を用いるのは、言い訳であり、脳が自分を守ろうとする本能から生まれています。無理やりそうした言葉を捨て去ることによって、脳はブレーキをかけずに本来持っている力を十分に発揮することができるようになります
 もう1つは、コツコツではなく一気にやることです。特に、上り調子の時は、休まずに一気に駆け上がることが重要です。人間の脳は快楽を求める仕組みがあるので、いったん休むとなかなか元に戻りません。『達成した』という結語も脳にブレーキをかけます。脳には限界はないのです。だから、どんなに大きな仕事をしても、すごい仕事をしたと思ってはいけないのです。

自分の弱点を認め,負けた理由を分析する。そして何が自分に欠けていたのかをあらゆる角度から検証する。それを解決する具体策が目標を立てることです。その目標に向かってまい進することが,最終的な目的達成につながります。目的を達成するまで,その実行を中止しないことです。明確に目標が設定されると、ドーパミン意外にもさまざまな活性化物質が生成され身体機能、脳機能が実際に高まります。能力を全開したときに、新しい回路、脳の高速道路が築かれます。これも同じくドーパミンその他活性物質を分泌させます。学習するとか、肉体を鍛えるというのは、100%を超えた先の事です。0%~60%では能力の低下。61%~99%では現状維持。100%~、成長。ただし休養もしっかりとること。体力管理は最優先に。脳はどれだけ頑張っても無茶しえませんが、体は100%超えてやりすぎると壊れて戻らなくなるのでストレッチや体調管理などのメンテナンスが最優先です。

勉強するほど頭が良くなるというのは嘘。どうしてかというと嫌なものをやらされると頭はよくならない。脳は必要のないものや、面白くないものは3日間で忘れる。記憶するにはどれだけ興味を持てるか、いかに好きになれるか、が重要になってきます。子どもには「先生を好きになる」「人の話を感動して聞く」「繰り返し考える」「素直な性格を磨く」「何事にも興味を持つ」ように、親が自然な会話などでいい習慣を身につけさせることが重要です。「勝ち負けを決めるのは教育上よろしくない」などといって子供たちに手をつながせてゴールさせている運動会は.悔しさをバネに育つという仕組みを無視した指導といえます。勝つためには全力を振り絞って,最後まであきらめずに相手を打ち負かす努力を続けるべきです。しかし,それは決して,相手の人格や存在まで否定することではありません。勝負とは,それを通して相手を尊重することを学び,自分が成長するためのものです。