昭和50年に東急田園都市線にて華々しくデビューした、当時は究極の省エネ通勤型電車の8500系。その車体の外観やコンパクトな運転台等は、半世紀近くになった今なお、全く古さを感じさせませんね。
その当時、親父は働き盛りの45歳か。私自身も18歳の大学生でした。
名古屋市内に住んでいた私自身は、名鉄の初代パノラマカーが最高の通勤型車両だと信じ切っていた頃で、近鉄名古屋線も標準軌ながらも有料特急を除けば、まだまだ狭軌時代上がりの旧性能車両群が急行でさえ、幅を利かせていた頃です。
もともと東急はデラックスな有料特急型車両をあまり好まず、戦後も一貫して地味な純通勤型車両の開発に没頭し続けていましたね。どちらかと言えば、無駄を極力省いて、輸送機能一点張りの印象でした。
8500系は、その集大成の一翼だったと思います。特にマスコンやブレーキも。果たして、そのカリスマ性を今の2020系や5070系、3020系などは引き継げるのかな??
その頃、名鉄もようやく本格的な通勤型車両が必要だと気付いたようだが、あの6000系からすれば、まだまだ脇役とか二軍選手並みの考え方だ。今のように一軍選手的な存在になれたのは、やはり初代パノラマカーを淘汰し始めた、今の3500系辺りからだろう。
東急8500系の仕様は、制御機器を除けば、今の名鉄9500、9100系にも大きな影響を与えたとも言えます。
しかしながら、もはやサイリスタ・チョッパ制御機器では古いようだ。伊豆急では今後、8000系を元JR東日本209系の3000系に置き換えを決めたようだし、多数の8500系を引き取った長野電鉄でも、令和10年度までには通勤型車両をVVVF制御など省エネ型にすべて置き換えたいとか。信濃毎日新聞が報じていましたね。
8500系は勾配抑速ブレーキがないため、信州中野~湯田中間では使えないのも理由だろう。恐らくは。
しかしながら、長野電鉄では3000系になる筈の東京メトロ03系も残り僅かだろうし、また東武鉄道20000系も同様。
一体どうやって、省エネ車両を確保するのやら?? まさか、久々に純新車を導入??
同じ問題は、標準軌の高松琴平電鉄でも遠からず出そうだが。うん。
確か、元東急8500系が今なお使われている地方中小私鉄は他にも秩父鉄道や富山地方鉄道があったなぁ。そちらも気掛かりだ。8500系ではないが、名古屋から身近なものとしては、豊橋鉄道渥美線や三岐鉄道三岐本線、近江鉄道等も。
なお、東武鉄道100系も間もなくN100系(スペーシアX)に世代交代。初代スペーシアは富山地方鉄道の有料特急にでもどうか?とも思ったが、特急運行が無期休止になった今は、長野電鉄あるいは秩父鉄道辺りでの活躍に期待するしかなかろうが。