80年代に、北米・南米を旅されたという、おじいさまからのお土産の宝石がふたつ。
青い石と、イエローグリーンな石。
アクアマリンと思われる方は、お母さまが選ばれたそうです。

Aさんには、イエローグリーン。
封筒に『Peridot』の文字と、金額の走り書き。
封筒に入れられたまんま、ずーーっとお持ちになっていました。
ご結婚されて、ご主人のお仕事で、欧州や中近東を回られ、数年前に東京へ。
その間もずーーっとお持ちになっていました。
「よくなくらなかった!」と、ご本人も感心しきり。
実はAさんとは、ピエスメンバーがフランスにいた時からのお知り合いでした。
十数年振りに東京で会えるとは思っていませんでしたし、
ましてや、私と今澤さんが、恵比寿でお店を一緒にして、
そのお店の朝の掃き掃除の途中に、
ウォーキング帰りのAさんと挨拶できる日が来るとは…
あの時の私たちには、全く想像もできていませんでした。
すごいなぁ。
人生ってぐるぐるぐるぐる巡って来るんですね。
なんか色々諦めちゃいけないなぁ、と思ったりします。笑
そんな強烈なご縁もありまして、
この機会にリングに仕立てましょう!となりました。
そこで、まずは石を鑑別に出してみましょう、と。
ペリドットと書かれてはいますが、そうではないような。
てろてろうるうる…
光を映した水面の様にいつまでも輝きます。
とにかく美しいルースです。
そして、鑑別に出してみると…

クリソベリル。
アレキサンドライトのお仲間の石。
カラーストーンの正確な市場価格は判断しかねますが、
お安くはありません!
なかなか出回らないサイズ感でもあり、
口元にんまりな感じだと思います。
こちらを
pièce12から”ふわりリング”へお作りさせて頂きました。

シンプルな中にも、"ふわりリング" の特徴はいくつかあります。
まず、引っかかりなくストレスフリーなフクリン留め。
この幅を加減することで、デザインの顔がガラリと変化します。
そして、フクリン留めの時は、
全体にボリュームがついてたっぷりしがちなのですが・・・
この "ふわりリング" の本領発揮。
石座が浮遊(笑)しており、重さを感じさせないのです!

爪留めは、石が大きく見えて、かつ使用地金が少なく、
繊細な印象が特徴かと思います。
ふわりリングは、フクリンを均等に美しく回すことで、石が大きく見せてくれます。
そして、浮かすことで、繊細さが加わり、かつ!使用地金も抑えられるのです。
まさに、爪留めとフクリン留めの良いとこ取りの『ハイブリットデザイン』なのです!

奥行きのある美しい石です。
いろんなご縁に感謝なのです♪