カラスといちごとクロッカスと

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ジャコウアオイ・・・ではないみたい

2022年09月01日 09時09分58秒 | アオイ科
2021.06.25撮影

当時新築のこの家に引っ越してきたのは、随分前の、ある年の冬、年末も押し迫ったころ。その年は、バンクーバーでは、クリスマスから年始にかけて、珍しい大雪だった。

雪が溶けると、まだ庭のまったく造られていない状態の土地から、丸いかわいいロゼット葉がのぞいているのが見えました。後でわかったんですが、この植物は、条件さえ整えば、いつでも発芽してロゼット葉(ロゼットとは? 意味や使い方 - コトバンク)を生成するようです。

2022.08.14撮影

それから、茎が伸び始め、地上近くには小さい丸いロゼット葉が、伸び始めた茎には大きめの丸い葉(もうロゼット葉とは呼ばない?)が見え出しました。下の画像ほぼ中央のピンクのものは、今日の植物に関係なく、観賞用オレガノ「ケント・ビューティ」(Origanum ‘Kent Beauty’)です。そのオレガノのやや右上に見えているもうひとつのピンクのものが、今日話題にしている花の花がらです。

2022.08.14撮影

茎に大きめの丸い葉がついた後、さらに、今度は、ギザギザと切り込みのある葉が出ました。

2022.08.14撮影

そして、初夏に、こんな薄いピンク色の花が咲きました。これは、ちょうど、メシベが受粉に向けて開いたところのようです。ひとつの個体の花期が終わっても、他の個体の花が咲いている、という感じで、秋まで咲き続けます。

2022.08.31撮影

こんなにきれいな、そよそよとした花があるのか、と思いました。わたしは、すぐ感動するんです。愛でているうちに広まって、それ以来、うちの庭に居住しています。はびこることに気づいてからは、芽を出したものをロゼット葉のうちに掘り起こすようにしているんですけど、ムダな行為です。

アオイ科(Malvaceae)ゼニアオイ属(Malva)の花なんですが、これが、Malva alcea(和名は存在しないもよう)なのか、ジャコウアオイ(麝香葵 Malva moschata)なのか、見た目では同定しにくい。両者はお互いに交配もするそうです。

見分けの決め手に使ったのは、花の匂い。ジャコウアオイ(Malva moschata)には、麝香(ムスク)の匂いが。でも、この花には、芳香というほどの匂いは(少なくともわたしの嗅覚には)ないので、これは、Malva alcea である、としておきます。



ところで、「麝香」というのは、ジャコウジカ属(Moschus)の各種ジャコウジカ(麝香鹿)(麝香 - Wikipedia)のオスの成獣から、人間が無理強いして採取する、オスがメスを魅了(?)するフェロモン(?)のようなもので、ああ、それで、世の中の男性がオーデコロンとしてつけたがるのね・・・人間の女性はシカか。

でも、「良い強い香り」という意味で「ムスク、マスク musk」が名称の一部に使われることがあり、その一例が、「マスクメロン」・・・んんん、シカのフェロモンのメロンですか・・・

葉がもっと細く切り込んだのは、次の画像の、花のすぐ下に見えます。同じ画像から、周りが花盛りの様子も、見てとれます。

2021.06.30撮影

花のきれいに咲いたところもどうぞ。

2013.08.20撮影


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