そろそろ次のアンプに向けて球の選定を行っているのですが、次はどんなアンプにしようかといろいろ考えを巡らせています。
手持ちの球の中で気になっている球の1つにPT15という球があり、この3極管接続特性は、まだよくわかっていませんでしたので測定してみました。
まずは、PT15の写真から。大きさ比較のため6CA7と一緒に写しています。
PT15は、酸化被膜フィラメントタイプの5極送信管です。トリタンのように明るく輝きませんが、フィラメントは6.3V-1.3Aと6CA7より少し電流が少なく、トランスの選択肢が増えますのでそれだけでありがたい球です。昔のマニアの間では、三極管接続で845類似の特性というのがありましたが、真相や如何にといったところ。
いつものようにこんな感じで測定しています。
下記が測定結果になります。
今回は奮発して950Vまで測定可能なようにセッティングしましたが、800V近くまでプレート電圧を印加しています。
測定してみて思ったのは、使いやすそうな球だという印象です。送信管にありがちな、高内部抵抗でしかもグリッドをプラス電圧でドライブするような球ではなく、よく使う受信管と同じマイナス電圧でのドライブが可能です。
そして解析結果が下記になります。
ご覧のようにμ=6、gm=4.2mS、rp=1420Ωとなりました。G1の間隔は10V間隔としましたが、きれいにそろって直線性もよさそうな球です。
ここで気になる845の特性ですが、こちらはRCAのデータから下記のように確認できます。
この結果、μ=5.6、gm=4.0mS、rp=1430ΩとPT15とほぼ同じ結果となりました。グラフの読み込み誤差や個体差もあろうかと思いますので、若干の違いは誤差の内です。
昔のマニアの言う通り、PT15の三極管接続と845の特性は近似しているのですね。PT15は使えそうな球だということがわかりましたので、次のアンプの候補の1つにしておこうと思います。