先日、といっても1年以上前ですが、ナショナル(現パナソニック)の古いトランスを入手しました。下記写真のようなETA-68E200という、1次側10kΩのプッシュプルトランスです。実はこのトランスは、2回目の入手となります。
複数回このシリーズの出力トランスを入手している理由は、音が結構よいというのが最大の理由です。
さて、このETA-68E200は面白いトランスで、写真では端子が下側にセットしてあるのですが、これを上側にもセットできるのです・・・。いや、面白いのはここではありません。
通常、トランスのコア(特に電源トランスなど)は、日本では湿気が多いため、結露が発生する恐れがありワニスを十分に含浸して対応するのですが、そうするとコアもガチガチに引っ付いてしまい、コアは簡単には外れません。
しかし、このトランス、ワニスの含浸が少なく、コアがすぐに分解できるのです。
そのため、プッシュプルタイプのコアをシングルタイプに変更可能なのです。
どんな風かというと、下記のような形です。もともと、左手側のような形でコアが組み込んでありますが、これを右手側の形に変更します。
そすると、コアにギャップができ、磁気飽和しなくなるのでシングルでも使用できるように早変わりします。
で、改造した状態が下記写真です。
下にあるI型コアをトランスに組み込み、無事、1次側P-P間で10kΩのシングルアンプ用トランスが出来上がりました。
最近は、1次側が高インピーダンスのトランスは入手が難しく、これで、VT-25やVT-62、この前入手した川西のC-202Aにも対応したトランスとなりました。
ちなみに、1次側のインダクタンスは両方とも、ほぼ20Hとそろっています。
同じように1回目に入手したトランスも改造し、下記のようなアンプを2015年12月に製作しています。B電圧を可変にしたVT-25、VT-62コンパチアンプです。
色が黒っぽく、暗い部屋で写真を撮っていますのでわかりにくいですが、真空管の左手側にあるトランスが改造出力トランスになります。ちなみに音は優しく素朴な感じのするアンプになった記憶があります。
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