前回(Part2)までに一通り修理して、音が出るところまで対応しました。が、残念なことに強烈なノイズが片側chから発生し、恐らくトランジスタの劣化から来るノイズだろうと予測しました。
そこで、どのトランジスタがノイズの発生源になっているのか、確認していくこととしました。これは、トランジスタを別のものに入れ替えて確認していくのですが、数が少ないので案外あっさりと分かりました。出力トランジスタのドライバーである2SB56が原因のようです。
下記写真の左手側のトランスのすぐ近くにあるトランジスタになりますが、ここをシリコンのPNPトランジスタに置き換えてやると、強烈なガサガサ・ゴソゴソノイズはなくなり、一応聞けるようになりました。
しかし、残念ながらまだ少し、カサカサ・コソコソというノイズが。どうも、前段のトランジスタにも不良があるようです。
仕方がないので、ここもシリコンに変えようと検討しました。しかし、ただ交換するだけでは芸がないので、ここはひとつトランジスタのオス・メスを組み合わせてもっとシンプルな回路を実現しよう!と。
ここで、ネットから拾ったSAQ-202の回路を示します。すべてゲルマニウムのメス(PNP)型のトランジスタで構成されており、各段はカップリングコンデンサを介したAC結合となっています。これを真ん中にオス(NPN)型のトランジスタを入れることで、回路はもっとシンプルになります。
なお余談ですが、実際の回路と下記の回路で若干の定数の違いがあることがわかりました。いちいち記録していないので、どこかは忘れてしまいましたが。
この回路を下記のように全段直結回路へ。手持ちのPNPタイプのトランジスタに小さいのがなかったので、見たは少し目ちぐはぐになりましたが、ちゃんと機能するのでまあよしです。初段の2SA1280の抵抗値はオリジナルの回路と同一です。またトーン回路はなくし、初段のみのNFB回路としました。電源も、前段とドライバー段で電圧が異なっていましたが、全箇所同一電圧(-20V)を供給しています。
また電源回路もオリジナルの回路はやめて、下記のようなトランジスタによるリップルフィルタを追加しました。
で完成したのが下記の写真です。
上の写真のようにかなりシンプルになりました。
さて、早速音質チェックですが、前の状態(カサカサ・コソコソとなっていた状態)と比較し、一気に中低音に量感が増した感じです。
一方、中高域ですが、ほんの少し安っぽい音かなという印象。最近の低ビットレートの圧縮データの音と似ています。この音は前の状態と同じで恐らくトランスがこの音の原因ではないかな、とにらんでいます。NFBを出力から初段にオーバーオールでかけて、改善したかったのですが、うまくかけることができず、上記の回路のような部分部分でかけるNFBとなりました。
キャロルスローンや平賀まりか(ボーカル)では、結構いい感じでなっていますが、村治佳織のギターの音はあまり好みの音でなってくれていません。
しかし一方で、この安っぽくて古い小さなアンプでこの音?という見た目のイメージとのギャップが結構楽しませてくれます。なかなか面白いアンプになりました。
残念ながら電源SWを入れてアンプが安定するまで少しスピーカからハムが出るのが傷です。何とかならんかな、と思っている次第です。
ではまた~。
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