【ワシントン=向井ゆう子、エルサレム=浅野友美】米中央軍は16日、紅海で活動中の米軍のミサイル駆逐艦「カーニー」が無人機14機を撃墜したと発表した。いずれもイエメンの反政府武装勢力フーシの支配地域から発射された。欧州の海運大手は紅海での商船運航停止に踏み切り、国際的な海上輸送への影響が今後広がりそうだ。
英国防省も16日、英海軍の駆逐艦が無人機1機を撃墜したと明らかにした。イランを後ろ盾とするフーシは、イスラエルと戦闘を続けるイスラム主義組織ハマスを支持し、紅海で無人機の発射や商船の攻撃を繰り返している。
ロイター通信によると、海運大手のAPモラー・マースク(デンマーク)とCMA―CGM(フランス)は16日までに、紅海でのコンテナ船の運航を全て見合わせると発表した。MSC(スイス)は、紅海と地中海を結ぶスエズ運河から船舶を迂回(うかい)させるという。
フーシの報道担当は16日、「オマーンの仲介で、紅海とアラビア海での作戦について各国の当事者と協議中だ」とX(旧ツイッター)で明らかにした。パレスチナ自治区ガザでイスラエルの「侵略と包囲」が終わるまで攻撃を続ける姿勢を改めて強調した。
読売新聞