陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に勤務していた元自衛官の五ノ井里奈さん(24)への強制わいせつ罪に問われた元自衛官3人=懲戒免職=の判決が12日、福島地裁であった。三浦隆昭裁判長は、渋谷修太郎被告(31)と関根亮斗被告(29)、木目沢佑輔被告(29)の3人に、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。 3人は昨年1月に書類送検され、福島地検郡山支部から昨年5月、いずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とされた。だが、五ノ井さんが審査を申し立てた郡山検察審査会が昨年9月、「不起訴不当」と議決。福島地検は一転、今年3月に強制わいせつ罪で起訴していた。起訴内容は、北海道別海町の陸自演習場の建物内で2021年8月、格闘技の技を使って五ノ井さんをベッドに押し倒し、覆いかぶさって腰を前後に動かすなどし、着衣越しに陰部を接触させるなどのわいせつ行為をしたというもの。
五ノ井里奈さんの性被害をめぐる主な経緯
2021年8月 北海道別海町の陸自演習場の建物で飲食中、同僚の隊員3人から押し倒され、性的な身体接触を受ける
22年5月 福島地検郡山支部が、強制わいせつ容疑で書類送検された3人を不起訴処分(嫌疑不十分)
6月 休職を経て退職し、ネットなどを通じて被害を告発
9月 郡山検察審査会が、不起訴となった3人について「不起訴不当」と議決
10月 3人らが五ノ井さんに直接謝罪
12月 防衛省が、3人の懲戒免職などを公表。五ノ井さんへのセクハラを認定
23年3月 福島地検が3人を強制わいせつ罪で在宅起訴
6月 福島地裁の初公判で、3人が無罪を主張
*防衛省や裁判の資料などから作成
朝日新聞