東京・上野の貴金属店に押し入った強盗グループが店員にさすまたで抵抗され、逃走していた事件で、警視庁捜査1課は7日、強盗致傷と建造物侵入の疑いで、新たに実行役として、埼玉県熊谷市妻沼中央、職業不詳、松浦航祐容疑者(20)を逮捕した。調べに「今は何も話したくない」と黙秘している。 逮捕容疑は11月26日午後6時40分ごろ、すでに逮捕された男2人と共謀して台東区上野の貴金属店に押し入り、バールを振り回してショーケースのガラスを割って商品を奪おうとした上、50代の男性店員の左手に軽いけがをさせたとしている。 捜査1課によると、事件当時、松浦容疑者はバイクを運転して現場を訪れたが、倉庫にいた別の男性店員がさすまたを持ちだして抵抗したため店内に入れなかったとみられる。容疑者ら3人はタクシーと電車を乗り継ぎ埼玉県内へ逃走したという。 産経新聞
イスラエル軍のハガリ広報官は6日、パレスチナ自治区ガザ地区の第2の都市である南部ハンユニスの中心部で、同軍とイスラム組織ハマスが激しい市街戦を繰り広げていると明らかにした。ハガリ氏は、軍がハンユニスを包囲した上でハマスの「防衛線を突破した」と主張した。一方、イスラエルのネタニヤフ首相は6日、軍がハンユニスにあるハマスのガザ地区トップ、シンワル氏の自宅を包囲したと明らかにした。 イスラエル軍は6日、ハンユニスとガザ北部のシュジャイヤ、ジャバリア地区の3カ所でハマス戦闘員との市街戦を展開。戦闘員は地下トンネルから姿を現し、イスラエル軍に奇襲をかけているという。ハンユニスでは、同軍の地上部隊が空軍の支援を受けて徐々に侵攻。ハマスの軍事拠点やモスク(イスラム教礼拝所)などにあった武器庫を制圧したほか、地下トンネル30カ所を破壊したという。 ハンユニスには、シンワル氏のほか、ハマス軍事部門トップのデイフ氏らも拠点を置く。ネタニヤフ氏はシンワル氏の自宅包囲について「彼の家は要塞(ようさい)ではない。彼を拘束するのも時間の問題だ」と述べた。 シンワル氏は、ハマスによる10月7日の越境攻撃の総責任者とされる。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ネタニヤフ氏はガザ戦闘を巡る勝利の「象徴」として、シンワル氏の殺害を重視しているという。ただ、シンワル氏は自宅ではなく、地下トンネル内にいるとみられる。 イスラエル軍はハンユニスの4分の1にあたる地域で市民に避難を呼び掛けているが、既に攻撃で多数の死傷者が出ている。国際社会からの停戦圧力が強まっているため、同軍はハンユニス攻略を急いでいる模様だ。一方、ハマス戦闘員の抵抗を受け、ガザ北部の「完全制圧」には手間取っているとみられる。パレスチナメディアによると、ジャバリア地区では複数の住宅が空爆を受け、数十人が死傷したという。 こうした中、ガザ南部の人道危機は深刻化している。イスラエル政府は、ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所に毎日200台のトラックと2台のタンクローリーが入っていると主張。しかし、国連によると、イスラエル軍の空爆や道路の封鎖、燃料不足により、ガザ内で支援物資を配布できない状況が続いているという。 一方、イエメンの親イラン武装組織「フーシ派」は6日、イスラエル南部を狙って、ミサイルを発射したと発表した。ミサイルはイスラエルに迎撃されたが、フーシ派は声明で、イスラエルがガザへの侵攻を止めるまで同様の攻撃を続けると主張した。 また米国は5日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でパレスチナ人への暴力を続けるユダヤ人入植者に対し、米国への査証(ビザ)発給を停止すると発表した。西岸での治安悪化を防ぐための措置とみられる。 当局の発表によると、双方の戦闘による死者は6日、イスラエル側は約1200人、ガザ側が1万6248人となった。【エルサレム三木幸治】 毎日新聞