わが国では「移民」と「外国人労働者」の垣根があいまいだ。技能実習に変わる新たな制度では、1年を超えて働き、一定の条件を満たせば同じ分野で職場を変える「転籍」も認める。これまでは最長5年間同じ職場に縛られていたため、労働者としての人権に配慮した格好だ。 ただ、農林水産業などで多数の実習生を受け入れてきた地方からは不安の声も上がる。最低賃金が高く、生活面でも魅力的な都市部へ人材が流出しかねず、労働者確保が難しくなるためだ。 警察当局によると、その大半は元技能実習生でSNS(交流サイト)上には仕事や住居の斡旋に加え、預金通帳や偽造身分証の売買などの記録が公然と記されていた。 ベトナム人実習生らを支援しているNPO法人の沼田恵嗣代表は「彼らだけがそうだとは言えないが、人が増えれば必然的に犯罪も増える。失踪者に加えて転籍者も都会を目指すようになれば犯罪の構図や地域性も変わってくる」。 ベトナム人実習生らを支援しているNPO法人の沼田恵嗣代表は「彼らだけがそうだとは言えないが、人が増えれば必然的に犯罪も増える。失踪者に加えて転籍者も都会を目指すようになれば犯罪の構図や地域性も変わってくる」。 警察庁によると、ベトナム人の犯罪は令和4年に摘発された来日外国人の中でも最多で、全体の3分の1以上の3432人。10年前と比べ中国人が半減する一方、ベトナム人は5倍以上の増加だ。犯罪別では中国人は「詐欺」が最多だが、「侵入窃盗」と「万引」はベトナム人が最も多かった。
産経新聞