サイプレス

鬱病になり不安定な毎日。今は宝塚熱が再燃して、これがいい処方箋になっています。

なつかしの衆参同時選挙

2009年08月25日 | つぶやき
学生の頃、衆参同時選挙なるものがあった。

どういういきさつだったのかは、まったく覚えていないけれど、この選挙で
私が経験したものは、その後の私に大きく影響を与えている。

同時に、国レベルの選挙が行われるということで、各選挙事務所は、
運動員やアルバイトを探すのにおおわらわとなっていたようで、
大学の求人広告にも選挙事務所のアルバイトが掲載されるほどだった。

私はと言えば、興味はありつつも何処に行ったらいいのかもわからず、
友人が次々決めてくるのをぼ~っとみていた。
そんな時、街の交差点で信号待ちをしているときに、一人のおじさんが
声をかけてきた。
「あやしいものではない」と言いながら・・・。(そんなん怪しいに決まっている!!)
と、思いつつも話しかけてくるので、迷惑そうにしながらも、聞いていたら
選挙事務所のアルバイトを探していると言う。

その候補者は、保守派の神戸ではちょっと上品な感じがするので、
いいこともなさそうだけど、悪いことも無さそうだろうと、評価されている人だった。
全く、しらない人だったけれど、まあ、選挙事務所は街中だし・・・と、ついていったら、
大きな事務所で、すでに4~50人くらいの人が忙しくしていた。

やることの説明を聞きながら、出来るかな~~と心配になったけれど、
まあ~いっか~ということで、すぐにバイトに決まった。

やることは、初めは電話番、電話かけ、お茶くみと言う話だったのに、
気がついたら、ウグイス嬢なるものまで経験することになった。
ただ、私の発声が悪くて、埠頭に連れて行かれて、発声練習の練習や、
その頃は、お化粧も大してしていなかったので、お化粧講習までしてくれた。(笑)

車に乗って、連呼するのはしばらくして慣れたのだけど、
自分でも自分の声がまっすぐに伸びずに拡散しているのがわかるので、
本当にイヤで、車の中から手をひたすら振ることで、仕事をこなそうと試みる私。

今思えば、やりだすと何かしら楽しみを見つける習性があったようだ。
朝は、6時くらいに家を出て夜も、政策説明会なるものの受付を
して帰っていたので、11時過ぎていた。
こんな生活だったのに、学ぶことが多くて、その後社会人になったとき、
大して苦労しなかったことが多かった。(この事務所は、礼儀作法に
人一倍うるさい事務所だったので、最初は戸惑ったけれど・・・。)

投票日までの1ヶ月ほどは怒涛のように過ぎていった。
候補者がどんな考えの持ち主か、今になって考えてみるとわからないのだけど、
お祭りのような一体感があって、車から候補者の名前を連呼していると
涙が自然に出てくるのだ。
なんだか、もう当選しなかったら「おしまい・・・」と言う感じが、
アルバイトの一人一人まであって、「最後のお願い」なんて街中で
誰の目も気にせず、涙を浮かべながらお願いを連呼したのだ。

で、無事に候補者は当選した。

今思うと、あの時あの選挙事務所の事務長に声をかけられていなかったら
経験できなかった貴重な体験で、いい思い出の一つになっている。