少数派シリーズ/羽田新飛行ルート
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!5
羽田新ルート・旅客機騒音がタワマン・高層ビルに反射し広い地域に拡大反響
イメージであり実際の飛行対象機種か不明
■ジェット騒音がタワマンなどに反射し江東区・江戸川区の広い範囲に拡散する恐れ
羽田新飛行ルートの重大問題5回目です/巨大な大型ジェット旅客機の「北風時・荒川離陸上昇ルート」(羽田=湾岸エリア=荒川沿い)、「南風時・都心着陸降下ルート」(新宿=渋谷=羽田)を詳細に説明して参りました。両コース下では区議会、市民団体、住民など抗議しています。しかし皆様が発している被害想定の他に、投稿者が独自に気の付いたことがあります。それが100mを越える超高層マンション(タワマン)、高層ビルの「音の反射板効果」です。旅客機の騒音源から相当離れていても、皆様の住居近くにタワマンなどがあると、音が反射しスピーカー代わりになって増幅・拡散することです。下の画像11で例えるなら、投稿者の自宅は江東区で200~300m離れた所にタワマンがあります。東京ディズニーランド(TDL)から8km離れていても、毎晩8時半になると、5分程度、ドン・ドドンと花火の音響がかなり大きく聞こえます。タワマンが建つ前は、全く聞こえませんでした。音源(TDL花火)=自宅=タワマンの位置関係にある場合、花火音がタワマンにぶつかり、その反響音がタワマンと正対するエリア(この場合・東側)へかなり拡大・拡散されることです。
画像11・反響音イメージ/稚拙ながら絵文字を使った投稿者の作図
裏付ける根拠の2つめは、逆に3kmしか離れていない夏の隅田川花火の音はほとんど聞こえません(タワマンの西側エリアは反響拡大する)。正対の表現をしましたが、周辺の広い範囲を実地調査をした結果、平面的に見て180度近い角度の地域に音が広がる確証を得ました。従って巨大な大型機の「北風時・離陸ルート」によるエンジン騒音は、荒川上空付近だけに限らず、コースからかなり離れていても近くにタワマンや高い建物があれば、騒音の影響を受けることが相当あると言えます。江東・江戸川区のタワマンや高層住宅周辺は、酷いと思います。10F前後以下の中低層住宅(団地・マンション)近辺でも、反射音が増幅されると思われます。タワマンのもう1つ問題は、TV番組によると、低層階と30Fでは高さ以上に音のうるささが全然違うそうです。特に「南風時・着陸ルート」の新宿・渋谷・品川辺りは、タワマン・高層ビルが日本で一番多いエリアなので、飛行が始まったら大騒ぎになると専門家は言います。最初は気にならない方も、段々とボディブローのように効いてくるそうです。在宅が多い主婦や音に敏感な方は、鬱やノイローゼなど深刻な問題に発展する恐れがあると警告しています。国交省は直ちに計画を撤回し、周辺住民の安全・安心を確保すべきです。
■騒音も減らない着陸降下角3.5度への変更は安全を脅かす無謀な計画
前号に続き再び、航空評論家・杉江弘氏(元日航機長)の見解
『周りの現役やOBは、国交省の騒音対策のために、着陸時の降下角を現行の3度から3.5度に引き上げる話に驚いている。着陸時でも風や気温の変化、操作上、エンジン出力を上げ下げするので、より大きな騒音が出ることもある。かつて世界一着陸が難しいと言われた空港でも、3.1度だった。3.5度は、世界のほぼ全てのパイロットが経験したことのない急角度で大問題だ。着地の際、機首を上げなければならず、現行の3度でも機体の後部と滑走路の差が1m程度しかないことがある。胴長の飛行機では、機首を上げることで尻もち事故が起こりやすくなる。急角度で進入すれば、滑走路に叩きつけるような着陸(ハードランディング)が起こりやすく、胴体や脚部分にひび割れやトラブルが生じる危険性がある。ゴーアラウンド(着陸を途中で中止し再上昇)し、やり直す必要も出る。ボーイング777(投稿者補足:500席以上)や大型エアバスA380(同:旅客機世界最大・2階建・525人以上)など重い機体は、着陸が大変難しくなる危険がある。騒音低減の効果もなく、危険なアプローチに変更することは許されない。安全運航が脅かされる計画はやめるべきだ。』
画像12・横田空域と羽田離着陸経路/高度2450・3650・4270・4880・5500・7000m
■高さ2450mにも及ぶ巨大な壁はJ R中野駅にあり、これが米軍の「横田空域」
巨大な壁は首都圏に及び、これが米軍の管制下に置かれている「横田空域」です。画像12のように北は新潟・三条市、南は静岡・伊東市、西は長野・佐久市や山梨・富士山東側山麓、そして東側が栃木・佐野市から神奈川・三浦半島まで広大なエリアです。高度2450mからヒマラヤ山脈級の7000mの空域に、原則、日本の民間機は入れないのです。例えば東京は、JR中野駅以西がアウトです。世界で首都の上空使用が封じられているのは日本だけで、米国の“占領政策”が未だ続いているのです。西日本に向かう便は迂回・急上昇を余儀なくされ、逆に羽田への到着便はわざわざ千葉・房総半島を大きく回って着陸します。10分前後余計に掛かり、毎日、数百便が時間・燃料などの損失を受けています。羽田新飛行ルート変更の根底には、横田空域が影響を及ぼしているのです。横田空域を避けるために、大勢の住民が住む都心エリアを低空飛行し、騒音や墜落の危険などで脅かされることは、論外極まりありません。国交省や国がまずやることは、ルートの変更ではなく横田空域の撤廃です。首都圏を“アメリカの空”から取り戻し、「日本の空」にすべきなのです。
次号/6・羽田新ルート・川崎石油コンビナート上の巨大機低空飛行は落下物でも大火災に
前号/4.羽田離陸の巨大機があなたの頭上を低空飛行する荒川上空ルートは許されず撤回を
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!5
羽田新ルート・旅客機騒音がタワマン・高層ビルに反射し広い地域に拡大反響
イメージであり実際の飛行対象機種か不明
■ジェット騒音がタワマンなどに反射し江東区・江戸川区の広い範囲に拡散する恐れ
羽田新飛行ルートの重大問題5回目です/巨大な大型ジェット旅客機の「北風時・荒川離陸上昇ルート」(羽田=湾岸エリア=荒川沿い)、「南風時・都心着陸降下ルート」(新宿=渋谷=羽田)を詳細に説明して参りました。両コース下では区議会、市民団体、住民など抗議しています。しかし皆様が発している被害想定の他に、投稿者が独自に気の付いたことがあります。それが100mを越える超高層マンション(タワマン)、高層ビルの「音の反射板効果」です。旅客機の騒音源から相当離れていても、皆様の住居近くにタワマンなどがあると、音が反射しスピーカー代わりになって増幅・拡散することです。下の画像11で例えるなら、投稿者の自宅は江東区で200~300m離れた所にタワマンがあります。東京ディズニーランド(TDL)から8km離れていても、毎晩8時半になると、5分程度、ドン・ドドンと花火の音響がかなり大きく聞こえます。タワマンが建つ前は、全く聞こえませんでした。音源(TDL花火)=自宅=タワマンの位置関係にある場合、花火音がタワマンにぶつかり、その反響音がタワマンと正対するエリア(この場合・東側)へかなり拡大・拡散されることです。
画像11・反響音イメージ/稚拙ながら絵文字を使った投稿者の作図
裏付ける根拠の2つめは、逆に3kmしか離れていない夏の隅田川花火の音はほとんど聞こえません(タワマンの西側エリアは反響拡大する)。正対の表現をしましたが、周辺の広い範囲を実地調査をした結果、平面的に見て180度近い角度の地域に音が広がる確証を得ました。従って巨大な大型機の「北風時・離陸ルート」によるエンジン騒音は、荒川上空付近だけに限らず、コースからかなり離れていても近くにタワマンや高い建物があれば、騒音の影響を受けることが相当あると言えます。江東・江戸川区のタワマンや高層住宅周辺は、酷いと思います。10F前後以下の中低層住宅(団地・マンション)近辺でも、反射音が増幅されると思われます。タワマンのもう1つ問題は、TV番組によると、低層階と30Fでは高さ以上に音のうるささが全然違うそうです。特に「南風時・着陸ルート」の新宿・渋谷・品川辺りは、タワマン・高層ビルが日本で一番多いエリアなので、飛行が始まったら大騒ぎになると専門家は言います。最初は気にならない方も、段々とボディブローのように効いてくるそうです。在宅が多い主婦や音に敏感な方は、鬱やノイローゼなど深刻な問題に発展する恐れがあると警告しています。国交省は直ちに計画を撤回し、周辺住民の安全・安心を確保すべきです。
■騒音も減らない着陸降下角3.5度への変更は安全を脅かす無謀な計画
前号に続き再び、航空評論家・杉江弘氏(元日航機長)の見解
『周りの現役やOBは、国交省の騒音対策のために、着陸時の降下角を現行の3度から3.5度に引き上げる話に驚いている。着陸時でも風や気温の変化、操作上、エンジン出力を上げ下げするので、より大きな騒音が出ることもある。かつて世界一着陸が難しいと言われた空港でも、3.1度だった。3.5度は、世界のほぼ全てのパイロットが経験したことのない急角度で大問題だ。着地の際、機首を上げなければならず、現行の3度でも機体の後部と滑走路の差が1m程度しかないことがある。胴長の飛行機では、機首を上げることで尻もち事故が起こりやすくなる。急角度で進入すれば、滑走路に叩きつけるような着陸(ハードランディング)が起こりやすく、胴体や脚部分にひび割れやトラブルが生じる危険性がある。ゴーアラウンド(着陸を途中で中止し再上昇)し、やり直す必要も出る。ボーイング777(投稿者補足:500席以上)や大型エアバスA380(同:旅客機世界最大・2階建・525人以上)など重い機体は、着陸が大変難しくなる危険がある。騒音低減の効果もなく、危険なアプローチに変更することは許されない。安全運航が脅かされる計画はやめるべきだ。』
画像12・横田空域と羽田離着陸経路/高度2450・3650・4270・4880・5500・7000m
■高さ2450mにも及ぶ巨大な壁はJ R中野駅にあり、これが米軍の「横田空域」
巨大な壁は首都圏に及び、これが米軍の管制下に置かれている「横田空域」です。画像12のように北は新潟・三条市、南は静岡・伊東市、西は長野・佐久市や山梨・富士山東側山麓、そして東側が栃木・佐野市から神奈川・三浦半島まで広大なエリアです。高度2450mからヒマラヤ山脈級の7000mの空域に、原則、日本の民間機は入れないのです。例えば東京は、JR中野駅以西がアウトです。世界で首都の上空使用が封じられているのは日本だけで、米国の“占領政策”が未だ続いているのです。西日本に向かう便は迂回・急上昇を余儀なくされ、逆に羽田への到着便はわざわざ千葉・房総半島を大きく回って着陸します。10分前後余計に掛かり、毎日、数百便が時間・燃料などの損失を受けています。羽田新飛行ルート変更の根底には、横田空域が影響を及ぼしているのです。横田空域を避けるために、大勢の住民が住む都心エリアを低空飛行し、騒音や墜落の危険などで脅かされることは、論外極まりありません。国交省や国がまずやることは、ルートの変更ではなく横田空域の撤廃です。首都圏を“アメリカの空”から取り戻し、「日本の空」にすべきなのです。
次号/6・羽田新ルート・川崎石油コンビナート上の巨大機低空飛行は落下物でも大火災に
前号/4.羽田離陸の巨大機があなたの頭上を低空飛行する荒川上空ルートは許されず撤回を