偽装魚の実態シリーズ 白身魚の偽装
河豚(ふぐ)と白子
偽装魚名 ゴマフグ・カワハギ・ウマズラハギ
トラフグの偽ネタは日本近海のゴマフグやカワハギ・ウマズラハギまでも
輸入養殖フグはホルマリン投与の恐れ・白子はスケトウダラの白子
■中国から輸入される養殖ふぐは劇薬のホルマリン使用が拭いきれない

勢いよく伸びてきている激安ふぐ店では、高級河豚(ふぐ)のトラフグと偽り、日本近海のゴマフグや韓国産のマフグ、中国産が出されます。質の劣る他種のふぐ、酷いところではカワハギやウマズラハギまで使います。その店だけ特別安く食べられるということは、回転寿司と同じくニセモノの典型的な例です。とにかく激安店は、ニセモノふぐと考え行かないことです。

かつては国内のトラフグ養殖で寄生虫の除去に、何とホルマリンが使われていました。ホルマリンは劇薬で、明らかに発ガン性を示し化学物質過敏症やシックハウス症候群の原因です。ホルマリンを摂取したふぐを人間が食べれば、言うまでもないことです。

現在は禁止されましたが、養殖過程が極めて不明な中国や韓国から輸入されるので、本物ふぐの店でも安心はできません。ふぐを食べる以上はケチらずに、国産天然の表示がされた店のふぐを選ぶべきです。また白子も、スケトウダラの白子を使っている店があります。そのままでは分かってしまうので、形・味を変えてアレンジメニューにして出されます。余分な調理がされていたら、怪しいと思って下さい。
■ふぐ専門店に行かないでも回転寿司店・居酒屋などで食べられる?

国内で一番規制が厳しかった東京都が、一転してふぐ料理の規制を緩和しました。資格を持ったふぐ調理師がいない店でも、ふぐ料理を出せるようになりました。無条件でふぐ料理が販売できるのではなく、ふぐ調理師がいない店は保健所に届出が必要です。さらに資格者が処理した“身欠きふぐ”を取り扱っている旨を示す、「ふぐ加工製品取扱届出済票」を見やすい場所に掲示しなければなりません。

“身欠きふぐ”とは、毒のある部位を取り除いたものです。このような品は、スーパー、一般の寿司店・回転寿司店、居酒屋などの飲食店でもメニュー化されるようになりました。しかし過去には身欠きふぐに毒が残り、死亡事故や食中毒が起きています。因みに、毒はテトロドトキシンです。

知識が乏しい飲食店では事故が起きやすく、食中毒が発生すれば倒産してしまうだけに慎重な店も多々あるようです。食の世界は規制が甘くなれば、必ず良からぬ者が衛生管理や意識が薄いまま提供し、お客の側が被害を受けてしまいます。私としては、今後も有資格者の店で食べるつもりです。
■本物・河豚のミニ情報/冬の河豚鍋は何とも美味

ふぐの旬は秋の彼岸から春の彼岸頃までも、やはり冬が最も旬です。成長したふぐが産卵のため、日本沿岸に近づく時期でもあります。関西ではふぐのことを「テッポウ」と言い、刺身を「テッポウ刺し」(略してテッサ)とも呼びます。ふぐ鍋(ふぐちり)・雑炊・唐揚げ・白子と、美味しく多岐に渡りますね。

白子は、雄のふぐの精巣です。ふぐの漁場の主体は九州で、漁獲量1位が福岡県(11%)・2位が山口県(10%)です。需要も西日本が多く、中でも全国水揚量の6割が大阪で消費されています。生産量のうち天然が約30%弱、養殖30%強、輸入が40%です。輸入量の99%が中国、残りが韓国からで、それだけに価格が安い輸入ふぐは安全の面で考え物です。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。