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2月が28日なのは初代ローマ皇帝の横暴!後世の人が困っている/少数派

2019年03月22日 | 気象・季節・暦
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/気象・季節・暦
2月が28日なのは初代ローマ皇帝の横暴!後世の人が困っている

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初代ローマ皇帝アウグストゥスの像/イタリア

■紀元前8世紀以前は年始めが3月、1・2月は暦がなかった
毎月の暦(カレンダー)は30日と31日の組み合わせでいいものを、なぜか2月だけぐっと2~3日も短い28日です。もちろんオリンピックや米大統領選挙がある年は、4年に1回の閏年で29日です。企業は稼働日が少なく売上アップに四苦八苦、日給制の方は生活が苦しい2月です。2月が28日しかない理由は、何でしょうか?古代ローマでは2月が1年の終わりの月だったため、年日数の調整にも使われた経緯があります。さらには当時の権力者の“横暴?”(権力乱用)が、後世の現代人まで影響を受けているのです。私が子供の頃に習った、「西向く侍」(二四六九士←11)の並びの意味も分かってきます。ただ本題の前に、どうしても暦の歴史を辿らないと分かりにくいため、前説にお付き合い下さい。

紀元前8世紀頃のローマで使われていた「ロムルス暦」は、月が10しかなく現在の1月と2月はなかったのです。農業を中心として考えていたため、春の3月から12月まで月が存在し、冬は月日が割り振られていませんでした。それではさすがに不便として、次の「ヌマ暦」制定時に10個の月の後に、Ianuarius・ヤヌリウス(英語のJanuary・現在の1月)とFebruarius・フェブルス(February・同2月)を追加しました。そのため2月は、現在のような「2番目の月」ではなく1年の最後の月でした。偶数は不吉とされたことから、それぞれの月の日数は29日か31日に割り振られました。しかし当時から2月は1年の調整日や、Februariusは宗教的な祭礼日が多く、混乱を避けるため28日しかありませんでした。

■ジュリアス・シーザーがほぼ現在の暦を制定
その後ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が暦を改革し、ほぼ現在と同じ平年を365日、4年に1度の閏年を366日とする「ユリウス暦」を制定しました。同時に年の初めがIanuariusと定められ、Februariusは「2番目の月」になったのです。月の日数も、ハッキリ31日(奇数月)と30日(偶数月)に変更されました。計366日になってしまうため、2月は過去の歴史もあることから29日になったようです。ここで終わっていれば、月の暦は均衡化されるはずだったのですが・・・
<以降の説明のため下記の配列をご認識下さい>
1月=31日、2月=29日(閏年は30日)、3月=31日、4月=30日、5月=31日、6月=30日、7月=31日、8月=30日、9月=31日、10月=30日、11月=31日、12月=30日
※8月からの30日・31日の並び順が現在と異なる。

ここからがローマ帝国の権力者の横暴によって、暦が変えられていくのです。カエサルの後継者で初代ローマ皇帝となったアウグストゥスは、誕生日が8月でした。しかし自分が生まれた月が30日しかないのは不愉快として、強引に31日にしてしまったのです。1日増やした分を、ただでさえ日数が少ない2月を29日から28日に減らしました。結論として2月が28日なのは、権力者の横暴と過去から“調整が定め”の月なのですね。9月以降の30日と31日の並びをずらしたため、7月の31日に続き8月も31日になり、12月・翌1月も31日が続く不自然さが生じてしまいました。こんな皇帝の横暴がなければ、現在も1月から12月まで31日と30日が交互に綺麗に並んでいたはずです(2月は30日の一種)。そうなれば大晦日恒例の「紅白歌合戦」は、12月30日だったかも知れません(笑)。

■7月の名称はジュリアス・シーザー、8月は初代ローマ皇帝名が語源
なお1月・2月を年の始めにしたため、月の名称が「7」を意味する「sept‐」が9番目の月「September」に、同じく「8」の「octo‐」(蛸octopus、音程octaveなどの例)は10番目の月「October」に繰り下がってしまいました。それは仕方ないにしても、権力者カエサルやアウグストゥスは月の呼び方も変えてしまったのです。カエサルは7月生まれだったので、元々の月名称Quntilis・クインティスを自分の名前ユリウス(英語読み July)に、8月生まれのアウグストゥスも月名Sextilis・セクスティリスの名称を自分名(英語読み August)に変えてしまったのです。ネロなど他の暴君も悪習にならったが、死後に戻されたそうです。そういえば日本も、戦時中「月月火水木金金」(休まず働け)というのがありましたね。

こうしたことから、2月はどうしても閏日(閏年)と結びついてしまいます。ご存じのように、地球が太陽の周りを回る公転に365.2422日掛かる(1年に6時間程度ズレる)ため、4で割れる西暦年に(4年に1回)、1日追加するものです。それでも差が発生するので、「100年に1回、閏年にせず平年」(前回は1900年)、「400年に1回、閏年にする」のです。2000年はミレニアムで沸いていましたが、西暦1600年・関ヶ原の戦い(合戦)以来の『400年に1回』の貴重な閏年でした。こんな説明後に、今度の2月29日を迎えるのも一入(ひとしお)ではないでしょうか?4年に1度の御目出度い日です。次の閏年は、もう東京オリンピックなのですね。閏年は、潤う年?(オヤジギャグ)にしたいものです。

Ntopkeiji

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