少数派シリーズ/気象・季節・暦
ツバメが軒先に巣を作るのは人間をガードマン代わりにして身を守るため
■昔は燕が家に巣を作ると「家が栄える」と大事にされた
燕(つばめ)の意外な行動についての2回目です。燕は渡り鳥で、春になるとインドネシア・マレーシア・フィリピンなどから飛んで来ます。日本には桜前線と合わせるように南から北の地域に現われ、関東地方へは3月末から4月上旬に飛来します。前号のように、燕の減少(半減)に心が痛みます。子供の頃、頭上を急旋回している姿を今でも覚えています。
燕の巣は、泥や藁(わら)を唾液で練って作ります。夫婦(つがい)は羨ましいほどに仲が良く、1度に産まれる卵は4~6個ぐらいでしょうか。メスが卵を温めている間も、オスは巣の近くで見張っているのです。半月ほどでヒナがかえると、食欲旺盛で1日300回も親鳥が餌を運びます。餌は、蚊(か)・蝿(はえ)・虻(あぶ)、ヒナが大きくなるとトンボ・バッタ・蛾(が)などを食べます。燕は稲を食べず、稲の害虫や病気を運ぶ蚊や蝿を食べるため益鳥とされ、昔は家に巣を作ると「家が栄える」と大事にされたものです。
■昔から人間と燕は共助し親しまれ暮らしの中にいたのです
3週間で巣立ちを果たし、河原などに集団で暮らしています。そして8~10月になると、数千km先の東南アジアに向けて飛び立って行きます。暖かい現地で越冬し、翌年も何と日本の同じ巣場所の近くに戻って来るのです。 燕が住宅や商店の軒下、駅の構内など人の出入りが多い場所にわざわざ巣を作るのは、天敵のカラスがやって来ないように人間を“ガードマン代わり”にしているからです(微笑み)。そうしたことから、昔から人間と燕は共助し暮らしの中にいたのです。
日常の言葉にも、よく燕が出てきます。九州新幹線つばめ、ヤクルトスワローズ(前身・国鉄スワローズ)、燕返し(剣法)、若いツバメ(危ない関係)、燕尾服などです。雑談ですが、金田正一投手が率いた国鉄スワローズは国鉄の運営ではありません。当時の鉄道法で事業が制限されていたので、交通協力会・鉄道弘済会・日本通運・日本交通公社などの孫会社の共同運営でした。このように、いつの世も燕は親しまれてきたのです。
前号/最近可愛いツバメを見なくなったと思ったら半分に減ってしまったそうだ
ウグイスの初鳴き・スミレ開花など大半の気象庁「生物季節観測」が今年20年で廃止
ツバメが軒先に巣を作るのは人間をガードマン代わりにして身を守るため
■昔は燕が家に巣を作ると「家が栄える」と大事にされた
燕(つばめ)の意外な行動についての2回目です。燕は渡り鳥で、春になるとインドネシア・マレーシア・フィリピンなどから飛んで来ます。日本には桜前線と合わせるように南から北の地域に現われ、関東地方へは3月末から4月上旬に飛来します。前号のように、燕の減少(半減)に心が痛みます。子供の頃、頭上を急旋回している姿を今でも覚えています。
燕の巣は、泥や藁(わら)を唾液で練って作ります。夫婦(つがい)は羨ましいほどに仲が良く、1度に産まれる卵は4~6個ぐらいでしょうか。メスが卵を温めている間も、オスは巣の近くで見張っているのです。半月ほどでヒナがかえると、食欲旺盛で1日300回も親鳥が餌を運びます。餌は、蚊(か)・蝿(はえ)・虻(あぶ)、ヒナが大きくなるとトンボ・バッタ・蛾(が)などを食べます。燕は稲を食べず、稲の害虫や病気を運ぶ蚊や蝿を食べるため益鳥とされ、昔は家に巣を作ると「家が栄える」と大事にされたものです。
■昔から人間と燕は共助し親しまれ暮らしの中にいたのです
3週間で巣立ちを果たし、河原などに集団で暮らしています。そして8~10月になると、数千km先の東南アジアに向けて飛び立って行きます。暖かい現地で越冬し、翌年も何と日本の同じ巣場所の近くに戻って来るのです。 燕が住宅や商店の軒下、駅の構内など人の出入りが多い場所にわざわざ巣を作るのは、天敵のカラスがやって来ないように人間を“ガードマン代わり”にしているからです(微笑み)。そうしたことから、昔から人間と燕は共助し暮らしの中にいたのです。
日常の言葉にも、よく燕が出てきます。九州新幹線つばめ、ヤクルトスワローズ(前身・国鉄スワローズ)、燕返し(剣法)、若いツバメ(危ない関係)、燕尾服などです。雑談ですが、金田正一投手が率いた国鉄スワローズは国鉄の運営ではありません。当時の鉄道法で事業が制限されていたので、交通協力会・鉄道弘済会・日本通運・日本交通公社などの孫会社の共同運営でした。このように、いつの世も燕は親しまれてきたのです。
前号/最近可愛いツバメを見なくなったと思ったら半分に減ってしまったそうだ
ウグイスの初鳴き・スミレ開花など大半の気象庁「生物季節観測」が今年20年で廃止