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新国立競技場デザインは隈研吾氏設計の木を主体にした「杜のスタジアム」に決定/東京五輪の危うさR4-6

2021年04月21日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.44
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 6
新国立競技場デザインは隈研吾氏設計の木を主体にした「杜のスタジアム」に決定

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年12月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の検証1回目、すったもんだしたザハ案を白紙撤回した後の再コンペで、建築家・隈研吾(くま・けんご)氏・大成建設・梓設計による「A案・杜のスタジアム」が決定しました。巷ではなぜか関西弁に置き換えて、『新国立は杜の隈さんでええやん(A案)!』がお笑いフレーズになりました。後ほど説明しますがコンペになったデザインは2つあり、審査の採点はA案610点、B案602点の僅差でした。A案が採用になった決め手は、「工期」の信頼性と言われています。概要は、総工費1,490億円、観客数約6万人、高さ49.2m、完成2019年11月です。いざ作るとなった段階での総工費膨張、今後も様々なトラブルが続くと思われます。これで決着ではなく、これからが正念場なのです。

審査は、7人の審査員が140点を持つ(全体の満点は980点)方法で行われました。しかしそもそもの9つの採点項目(基準)のうち、配点が工期短縮(工期の確実性)や総工費の縮減に重きが置かれていました。そのためB案(伊東豊雄氏設計)は、半分以上の5項目がA案より上回ったにも関わらず、工期短縮の項目で大きく差を付けられ敗れました。切羽詰まったこの段階での審査なので、絶対、工期延長などの失敗が許されず、審査員は安全なA案を選んだと推測されます。もし2012年、工期に余裕があった最初の段階で“対決”していれば、根本的な採点基準の配分点も違っていたと考えられ、デザイン性・日本らしさ・プロの設計者好みのB案だった可能性が高いでしょう。

決定したA案は、スタジアムとして従来から作り慣れたシンプルな工法を採用しました。 法隆寺の五重の塔など、日本の伝統建築の「垂木」を思わせる庇(ひさし)が特徴です。屋根も鉄骨と木材を組み合わせた、温かさを感じる構造です。高圧的な高さ70mのザハ案とは全く異なり、50m以下にして周辺の圧迫感を抑えています。このデザインなら、明治神宮外苑の景観に溶け込むでしょう。前回1964年東京オリンピック時、小学生だった隈氏が国立代々木競技場(丹下健三:設計)を見て感動し、建築家を志したと聞きます。建築物が自己主張することを嫌い、あるいはシンボル性を避け、周囲の環境に馴染む「負ける建築」を心掛けています。隈氏作品は、リニューアルされた歌舞伎座、その他各地の美術館・公的建築物・葬儀場などユニークな作品も手掛けています。

一方、B案は作った実績がない工法を提案したため、審査員に不安を与えたことです。B案は競技場の客席を覆う屋根を70本前後のロープで引っ張り、競技場周辺に建てられた同数の鉄柱を介して支える設計をしています。国内の大きな橋(橋梁技術)としては実績が確立していても、それを応用した建築物としては初めてことです。そのためいくつかの設計申請(行政手続)が、難航する・時間が掛かることが懸念されたことです。それこそ本当に完成できるのかも危惧されたことから、敬遠されたようです。また深読み?すれば、建設業界最大手の大成建設が受注するのが筋(談合?)との見方も出ています。

大会組識委員会長の立場でありながら、森氏は事前の段階で勝手にB案が良いと発言し、この男はまたもや失言・暴言が直りません。B案は「森(俺)のスタジアム」と揶揄され~私物化したと叩かれました。一説にはこれらの反感を買って、支持がA案に流れたとも言われています(苦)。それはともかく各メディアの事前調査でも、A案を支持する人が60%もいました。お祭りムードや大きなイベントの場合、ギンギラのデザインを好みますが、日本人もだいぶセンスが洗練されてきたようです。むしろ現在は、木のほうが斬新と思えるのでしょうね。日本は、急激に成熟時代へ突入します。建築物も、木の温かみや環境への配慮・落ち着きが必要な時代になった感がします。当ブログでは今回は概要的な面を指摘しましたが、後号は個々の問題点を詳細に触れていきます。

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