食品のカラクリシリーズ/食の誤用言葉
飲み屋など会計時の「お愛想!」はお客ではなく店側が使う符牒
■お客の側は「お勘定をお願いします・会計して・計算して」と言おう
お酒を飲んだり美味しい料理を食べて、常連客は上機嫌です。楽しい時間も過ぎてほろ酔いで、帰り際に「ママお愛想して」と言っています。疑問もなく「お愛想」と言ったりしますが、ちょっとおかしな使い方です。本来は勘定の際に店側がお客に対して、「せっかく楽しいお酒の場で、(お勘定の話は)愛想もなくて済みません」と謙遜して言う言葉です。あるいは「折角楽しい場だったのに、もう帰ってしまうの?お見限り?愛想もないのね」と、女将や店主の“つれなさ”から出る言葉でもあります。
それが一人歩きして、お会計をすることと思っている方が多いようです。何れにしても店側の符帳なので、お客の側が言うのは違います。特に、初めての店や若い方は、「お愛想」は使わないようにしましょう。「お勘定をお願いします・会計して・計算して」で構わないと思います。なお「あいそう」とも言うが、この場合は「あいそ」が一般的な使い方。因みに、会計時にお客が愛想をよくしても、金額は変わりません(笑)。