食品のカラクリシリーズ 初競り/魚介類
毎年初競りのクロマグロ超高額落札!寿司店の売名行為に怒り
漁師は一獲千金を狙い無理して漁を行うので海難事故が懸念される
何か言いたげな女性
■2019年初競りは史上最高値の3億3,360円、278kg
新春恒例、豊洲市場の初競(せ)りが行なわれます。毎年、青森県・大間産の本鮪(クロマグロ)が超高額で落札されます。2019年は、史上最高値の3億3,360円、278kg。単純に計算し、1kg当たり120万円。残滓を取り除き、ネタ単価(1貫~この場合1個)は2万円。あまりにも、常軌を逸しています。TVなどのメディアが囃したて世間を騒がすが、何のことはなく毎年のようにある寿司チェーン店が競り落としています。言わば売名行為、店の宣伝である。競りを乱すとして、批判的な声も多い。こうした大金にモノを言わす“演技”(パフォーマンス)、「バカゲタ商法」はやめて欲しいものです。それを400円前後で販売する理由を、“出血サービス”・お客様サービスと言うが、経営者である以上、他の商品に年間を通じ価格転嫁しているのは当然です。
一方、漁師は初競り向けに、年末ギリギリに質の良い200kg以上の本鮪をタイミングよく釣り上げる必要があります。漁業に詳しい解説者は、一獲千金を狙い無理して漁を行うので海難事故が懸念されると言います。大間産の鮪はどれでも美味いと思うのは、間違いです。大間産でも、味や肉質はピンキリ。なぜなら、本鮪は北太平洋を数千kmの範囲で回遊する魚。その時期、たまたま大間に近づいた“運の悪い鮪”が獲られただけ。大間産でなくても、もっと美味しい鮪があるというのが定説です。この際、“大間信仰”は意味のないことだと理解すべきでしょう。